2017年のBABYMETAL(10) | 私、BABYMETALの味方です。

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アイドルとメタルの弁証法
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★今日のベビメタ

本日12月24日は、過去BABYMETAL関連で大きなイベントのなかった日DEATH。

 

<12月2日>Legend-S-洗礼の儀@広島県立総合体育館グリーンアリーナ

<12月3日>Legend-S-洗礼の儀@広島県立総合体育館グリーンアリーナ

Legend-S-洗礼の儀@広島グリーンアリーナは、巨大キツネ祭りin Japan@大阪城ホール2日目に、ローマ数字がアラビア数字に変わり、12月2日-3日、広島グリーンアリーナで開催されることが公表された。

実は、巨大キツネ祭りでは、「すべての扉が開いたとき」全貌が明らかになると言われていて、黒、赤、金、銀、白の5枚の巨大スクリーンがあったので、最後の一枚は、10月16日のLVで開くのだろうと考えていた。例えばニューアルバムや来年のワールドツアーの予定とか。

それで、大阪には行けなかったぼくは、仕事帰りにZepp DiverCityのLVに行った。

LVなのにZepp DiverCityのピットではモッシュが発生し、大写しになる三人や会場全体の様子がはっきりわかった。やはり十字架状のステージシーリングライトは、METALLICAの「Master of Puppets」のジャケットデザインを意識していると思う。リマスター盤が出たし。5枚の巨大スクリーンも、韓国・ソウルでMETALLICAが使っていたやつで、ベビメタは使わせてもらえなかったものだ。それをきっちり「伏線回収」するあたりがBABYMETALらしさだよなあ。

しかし、ライブ終演後も新たな情報はなかった。だが、そこでも新しいメイトさん仲間と出会うことができたし、No-Metalさん、Sin-Metalさんと再会して、アフターで少し飲んだ。

2017年12月2日-3日。

ぼくは初めて広島の地を訪れ、各地から来たメイトさんと知り合うことができた。

原爆ドームと平和祈念碑の位置関係をこの目で見て、学徒動員碑に刻まれた学校の名前を見た時には、涙が止まらなかった。

この両日、広島に数万人のメイトさんが集結し、原爆ドームをその目で見、資料館を見学したことは、歴史的にも大きな意味を持つと思う。

広島市の観光客数は2016年の統計で1465万人を超え、1980年代から毎年増加している。うち県外客は約1121万人、関東の約319万人が最も多く、次いで近畿、九州、中部などの190万人が続く。海外からの観光客は約110万人とのこと。

だから、Legend-S-洗礼の儀目当ての客はささやかなものだが、それでも2日でのべ約2万人という数は、その数日前に行われた国連軍縮会議の23か国83名よりもはるかに影響力があると思う。The Oneは、「メタルで世界を一つにする」というBABYMETALのミッションに賛同し、ネットを通じて世界へ広がるネットワークなのだから。

初日、開場直前にYUIMETALの病欠が発表された。結成以来最大の危機。

だが、SU-とMOAはその危機を跳ね返し、最高のライブを見せてくれた。

巨大な狐の像が置かれ、凝りに凝った舞台装置。6人の狐男がSU-を乗せた円盤状のステージを引っ張るスペクタクルのようなオープニング。

1曲目の「イジメ」ではMOAが一人で舞台を全力疾走する。その勢いにいきなりサークルモッシュが発生。

BBMの楽曲は、MOAが孤軍奮闘で歌い踊った。初日には緊張感が漂ったが、2日目はたった一人で1万人の観客を熱狂させる、堂々たるソロアーティストに変貌していた。

「紅月-アカツキ-」では、Legend "D"の時のように、赤いチュチュを着たもうひとりのSU-が現れた。これは、2014年から海外進出し、世界的歌姫となったSU-自身であり、それをも過去として乗り越える戦いを暗示していた。

「ROR」の煽りで、SU-は「かかってこいよー!」と叫ぶ。どんな困難にも負けず、過酷な運命を引き受ける。その気概がほとばしっていた。

「ヘドバンギャー!!!」で、SU-は「♪イチゴの夜を」の部分を「♪ハタチの夜を」と歌い替えた。これで、この夏からこの曲が演奏されてきた伏線が、きっちりと回収された。

そして、SU-が三種の神器として配布されたペンダントと同じ形の輪に磔にされる「BMD」を経て、黄金のドレスと王冠をつけたSU-が、客席後方の巨大狐像から現れると、三種の神器のマスクの額に仕込まれたライトが光り、幻想的な宇宙空間が現出。

ピアノの調べに点滅する中、SU-が花道をゆっくりと歩くと、場内から「おめでとう!」の声が響き、拍手が鳴りやまない。

歌い始めた「The One English/ Piano Ver.」は、ビブラートのかかった表現力豊かな歌い方で、東京ドームとも、巨大キツネ祭りとも違う。観客の胸に沁み入るような深い情感がこもっている。

これまでビブラートをかけない剛速球のような歌い方をしてきたSU-METALが、「女神」となって、封印してきた歌唱テクニックを解禁したのだと思う。

YUIの病欠という危機を跳ね返し、MOAのソロアーティストとしての可能性や、更なる高みを目指すSU-の女神化という感動を与えてくれたのがLegend-S-洗礼の儀@広島だった。

グリーンアリーナの外へ出ると、澄み切った夜空には信じられないくらい大きくて明るい満月。

洗礼の儀の期間、広島は晴天が続いた。月は、今年最も地球に接近する“スーパームーン”で、ライブ終了後の12月4日午前0時47分に視直径、明るさとも最大となった。これもまたBABYMETALが引き起こした奇跡、文字通りLegend=伝説となるだろう。

YUIが欠席したとはいえ、やはりBABYMETALは最新が最高という神話は更新された。

ありがとうBABYMETAL。2017年も最高でした。

(この項終わり)