私的50年のジャスベストアルバム コメントその⑥ | ジャワ・パンナコッタの雑記帳

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音楽(主にJazz)、書籍(主に歴史)、旅行などの感想を書きます。
2011年2月から約2年間、イギリスのリーズで派遣研究員として勉強したました。
イギリス生活のことや、旅行で訪れて撮りためた写真などを少しずつアップしていこうと思ってます。

コメントその⑥

 

Ornette Coleman/Virgin Beauty/1988

 

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突然ですがジャズ大喜利。Prime Time Bandとかけて、美味しいアルトの音色と解きます。その心はVirgin Beauty一択です。Ornette Colemanはその経歴から、音楽スタイルを中心に語られることが多い。かくいう私も彼のPrime Time Bandの音楽が大好きなのだが、しかし一方で彼の最大の魅力はアルトサックスの音色だと思う。こんなに美味しい音色のアルトを奏でる人はそうそういない。で、そんなOrnetteの美味しいアルトがとことん味わえるアルバムときたら、やっぱりこのアルバムでしょう。

 

 

 

 

正直、Patはあまり好きなタイプの音楽家ではない。が、こアルバムだけは別。変幻自在なサウンドタペストリーが、ノンストップで72分間繰り広げられる。柔らかく耳障りは良いのだけれど、しっかりとした芯のある音楽。このアルバムを聴くと、なんだかんだ言ってPatは大したアーティストだと思う。嫌いなんだけど、やっぱり好きという、私的困ったアルバムの筆頭がこれ。

 

 


Rasshan Rorand Kirk/The Return of the 5000 Pound Man/1975

 

 

邦題、「才ローランド・カークの復活」。Rasshan Rorand Kirkは、ありとあらゆるブラックミュージックを一回飲み込んで咀嚼して、その全てを消化して唯一無二の独自の音世界を確立した天才。ローランド・カークの音楽を聴いて何も感じなかったら、その人はブラックミュージックに縁のない人だったと諦めるしかない。とまで言っておきながら、最晩年のこの辺のアルバムとなると、Kirkはブラックミュージックという狭いカテゴリーすら凌駕して、ポピュラーミュージック全般までも飲み込んで咀嚼して、その全てを消化して唯一無二の音世界を確立し切っている。このアルバムを聴いて何も感じなかったら、その人は音楽という娯楽そのものに縁が無かったと諦めるしかないと、酔った勢いで言い切ってしまおう。

 

 


Sun Ra/Disco 3000/1978

 

 

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Sun Raで一枚となると、この辺になるかなと思う。一曲目のぶっ飛んだ世界を一通り終えて、2曲目以降をしっかりと聴きこんでみると、意外にもごくフツーの伝統にのっとったJazzが繰り広げられていたりもする。自称、土星人のくせに。そういう、ハッタリ一発勝負ぷりがいかにもSan Raらしいという一枚(2枚組だけど)。

 

 


Tokyo Zawinul Bach/a8v(on the Earth)/2004

 

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コンピューターで非人間的に作られたサウンドがあって、それにどう立ち向かうのか。AIだなんだと取りだたされている昨今、人間とは、電脳とはという問題に世界的にも最初期に、真っ向から立ち向かったのがこのバンドだと、私は認識している。ただ、いまやすっかりマニア間のブームも過ぎ去って、ほとんど語られることもなく、中古CDは悲しい位の値段で売買されている。あの当時のTokyo Zawinul Bachは誰が何と言おうと時代の最先だった。そこのところ、きちんと評価するべき存在だと、声を大にして言いたい。