
美しい青年が才能を開花させ、究極の演技者になる。
30歳のティモシー・シャラメが歩んでいる道は、挑戦の連続だ。
かつてレオナルド・ディカプリオがそうであったように。
「マーティ・シュプリーム世界をつかめ」
「名もなき者」でボブ・ディランを演じて我々にインパクトを与えた後、興奮が醒めやらぬうちにまたもややってくれた。
今回演じるのは、卓球の世界チャンピオンを目指す最低男だ。
実在の卓球選手に着想を得て、周りを振り回して疾走する男を軽々と演じた。
駄目っ振りが突き抜けてて笑えるが、ティモシーが演じると憎めないキャラに変身。
ジョシュ・サフディの演出はドタバタが過ぎるが、後半へのドラマ展開は素晴らしい。
「君の名前で僕を呼んで」でブレイクしたティモシーのラストシーンを覚えてる方も多いだろう。
あの長尺のアップと涙。
今回も、ラストシーンのティモシーに泣かされる。
これまでのどの演技にも負けない、ティモシー・シャラメここにありのシーンだ。
インタビューで、この役で消耗したと語っているが、それは頷ける。
卓球は5年程練習したと言うし、その人物造形のためにエネルギーを尽くしたのだろう。
ドゥニ・ヴィルヌーヴやウェス・アンダーソン、クリストファー・ノーランと言った作家性のある監督や個性派との共闘。
そういったものが彼の血となり肉となり、今後ますます飛躍するのは間違いない。
この映画の魅力は、マーティの無鉄砲な行動を観客が味わう醍醐味にある。
最低男だが、がむしゃらでひたむきで、こんな生き方してみたいと思わせる説得力があるのだ。



















