
シネマート新宿ハードコア傑作選。
「キング・オブ・ニューヨーク」
役者をやっていた頃、クリストファー・ウォーケンも好きな俳優の1人だった。
この2作品における彼の演技は特別だった。
虚ろな目と壊れそうな佇まい、哀しみが似合う。
5年の刑期を終え出所した男は、他の組織との抗争へと駆り出されていく。
そして自身も追い込まれていくのだった。

強そうとか怖そうとか迫力、そういったものをウォーケンは翳さない。
冷酷無比で感情を表に出さず、他を圧倒していく。
それがウォーケンの個性だ。
この感情を殺した演技が、フェラーラが彼をボスに選んだ理由だろう。
タランティーノの「トゥルー・ロマンス」での名シーンも、この役があったからこそ。
ウォーケンはこれまでの作品でも、死で客の心
をぐっと掴んだ。この映画でも、極悪非道を繰り返しながら、死は厳かで美しい。
晩年にも彼は長身を生かし、他の俳優なら陳腐になるような役を好んで演じた。
同世代の俳優にはないオリジナリティで、彼の存在は輝くのだった。





















