
ざらついた16ミリフィルムの映像。
そこにスマホの動画が重なる。
リアルとファンタジーの融合。
「バードここから羽ばたく」
12歳の少女の過ごす環境は劣悪だ。
シングルファーザーには間もなく結婚する女性がいて、母親は暴力的な別の男と暮らしてる。
両親を探しているという彼に、少女は手を差し伸べるのだった。
昨年日本で公開されたフランス映画「動物界」を思い出した。
体がどんどん鳥になっていく男がいて、彼は必死に翼を羽ばたかせて、飛ぶ練習をしていた。
少女が出会うのも、バードと名乗る人物である。

手持ちカメラと徹底したリアリズム。
アンドレア・アーノルド監督は、自分の育った地域に近い場所で青春映画を撮った。
そこに加えたのが、少女に希望を与えるファンタジー要素だ。
バードは4日間、彼女に寄り添う。
後半に見せる少女の愛らしい笑顔に、我々は救われるのだ。
鮮やかな撮影は、「哀れなるものたち」やケン・ローチ作品のロビー・ライアン。
立ち上がるきっかけはバードがくれたが、実際立ち上がったのは、彼女自身である。



















