
愛すべき映画がイラクから誕生した。
「大統領のケーキ」
カンヌ国際映画祭でカメラドール新人賞を受賞した作品だ。
サダム・フセインは当時、自分の誕生日を国民に祝うように強制していた。
国内の学校では誕生日ケーキ作りを命じられ、クラスでケーキ係を決めるくじ引きが行われていた。
町へ出て、ケーキを作る材料を探すラミアだが、お金はない。
小さな冒険が始まる。
船を一人で漕いで登校する学校や、市場のリアルさ。
キャストも全員演技経験のない素人だ。
目に飛び込んで来る全てが、懐かしくもあり、新しくもあり。
主人公ラミアの動向に、目が離せなくなるのだ。
ラミアは大人達に翻弄され、簡単にケーキ作りに辿り着けない。
フセイン政権下の普通の市民の日常が、隅々まで描かれている。
どうすることも出来ない歯痒さを抱え、それでも諦めはしない。
そこで生きる人々の苦悩、かつて日本もそうであったように。
そして、仲の良い誰かと、まばたきゲームをしたくなる!
イラクから生まれた奇跡の一作を観逃す勿れ。







