ブリジット・バルドーの真実 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


ブリジット・バルドー、現在90歳。
レトロスペクティヴが好評、開催中だ。
1973年に38歳で引退した彼女を、知らない若者も多いだろう。


比較されたマリリン・モンローは、特集上映やテレビ、DVD等で何度も体験している。
代表作は何なのか、魅力は何なのか、語ることも可能だ。
ではブリジット・バルドー、自分もよくは知らない。


正統派の美人ではない。
癖のある顔だ。
モンロー同様、色気たっぷり、官能的な唇。


万人受けするタイプではないが、当時の人気は凄まじかったよう。
ファッションアイコンとしての影響力もあった。
多くの名匠にも愛されたよう。


夫になったロジェ・ヴァディムはもちろん、ルイ・マルやジャン・リュック・ゴダール、アンリ・ジョルジュ・クルーゾー。
ルイ・マルの「私生活」では、自身と重なるような大女優役。
パパラッチに追われ、孤独に追い込まれ、自分を見失っていく。


悪女や自由奔放な役が似合う。
美しいだけでなく、その生き様も人気の所以だろう。
頂点の時に身を引き、動物愛護活動に専念。


それ以降、映画の出演はない。
スクリーンの中の役のように、 自由に生き、自分を貫いた。
我々にはスターである彼女の光の部分しか見えない。


しかしそこには我々の知らない陰があり、苦悩があり、危うい孤独があるのだ。
美貌だけではないバルドーの魅力。
もっと知りたい、もっと観たいと思った。