「マッドマックス」が「怒りのデス・ロード」で9年前に復活した時、喝采を送った人が世界中でどれだけいたことか?
このシリーズが続き、しかもジョージ・ミラーが監督をすることにも大きな意味がある。
「マッドマックス・フュリオサ」も、多くの人が待ち望んでいたはずだ。
昔から復讐劇は、映画の中で重要な位置を占める。
西部劇もそう、アメリカには古くから復讐劇でスターになった俳優が多い。
クリント・イーストウッドもチャールズ・ブロンソンも。
その世界観と言い、激しいカーアクションと言い、しかも男が好きな復讐劇。
洋画劇場を楽しみに観た当時の中高生からして、異様な興奮を煽るような魅力的な映画だった。
復讐のために成長し、復讐のために戦士になったフュリオサの、復讐を徹底して描いたアクションである。
そこに迷いはない。
だからこそ、シンプルで後半に盛り上がるのである。
彼女の苦悩と、乗り越えた先にある復讐するべき相手。
ジョージ・ミラーはそこに心血を注いだ。
眼力のある女優だが、今回程、その目の強さ、インパクトを感じたことはない。
復讐への想いを秘め続けた女。
げっそりと痩せたことにより、余計に眼光が暗闇で強く光る。
ディメンタスとのクライマックスは見応え十分。
ジョージ・ミラー監督が、主演のアニャ・テイラー・ジョイが、我々の高い期待に応えてくれた。
まだまだぶれることなく、どこまでも暴走してほしい。