
だがそこも天才、濱口竜介監督。
観客はその謎を捉えて思考するのだ。
映画を遡り、伏線を探っていくのだ。

「ドライブ・マイ・カー」で成功し、引く手あまたのはずなのに、有名な俳優は一人も出ていない。
自主製作のように、自分の撮りたいものを一切の邪魔を排除して撮る。
今回は音楽家、石橋英子さんからの企画。

物々しい空気と衝突。
このただならぬ空気に観客は吸い込まれていく。
そしてラスト、謎に包まれ呆然とする。

ヴェネチア国際映画祭銀獅子賞受賞。
快進撃はどこまで続くのか?
我々の先をひた走る濱口監督の今回の結末も、20年後くらいにようやく理解出来る日が来るのかもしれない。