クローネンバーグ継承 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


デヴィッド・クローネンバーグはブログに度々登場する。
独自の世界観、いかがわしさ、ビジュアルの強烈さ、堪らない。
病み付きになった一人だ。


ホラー映画、SF映画、グロテスク。
時に難解だったり暴走もするが、そこも愛しいのだ。
個性を貫いた「デッドゾーン」や「ザ・フライ」も好きだが、成熟を見せて評価も高かった「ヒストリー・オブ・バイオレンス」も大好き。


そして、その息子である。
ブランドン・クローネンバーグ長編3作目が、「インフィニティ・プール」だ。
クローンを取り入れたオリジナリティ溢れる内容。


正に父親譲りだが、前作「ポゼッサー」でも感じたが、残虐性は父親以上か。
デヴィッドもまたカルト的人気を誇ったが、ブランドンもカルト路線。
暴走の度合いも相当で、一般受けはしないだろう。


主人公を転落への道に誘う魔性の女に、「パール」も好評だったミア・ゴス。
今や完全にホラー映画にこの人あり、という存在になってしまった。
かつての「キャリー」シシー・スペイセクのように、美女というより悪魔的存在感がいい。


「パール」のラストも、彼女の究極の笑顔がなければ、あそこまでの感動は生まれなかったはずだ。
凄い女優だと、心底思った。
さて、ブランドンである。


常に不快感マックス。
内容やストーリーよりトラウマ感強く、それをどう受け入れるか?
自分には、もう少し奥行きが欲しいところ。


それでも、クローネンバーグを継承出来るのは間違いなく、この人。
ここに映画的なカタルシスが加われば、何れ傑作が誕生するだろう。
その時は、そう先ではないかも。