ランティモス炸裂!! | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


「哀れなるものたち」
かなり期待して 、ドキドキしながら鑑賞した方も多いのではないでしょうか?
ヨルゴス・ランティモス監督を追い掛けて来た方なら尚更。
自分も毎度圧倒されるが、好みかと問われると答えに詰まる。


これまでの作品も一癖も二癖もある作品ばかり。
評価も高く、ぶっ飛んだ内容に、病みつきになる方も多いのでは?
「女王陛下のお気に入り」「聖なる鹿殺し」「ロブスター」「籠の中の乙女」、奇異で個性的なフィルモグラフィーだ。


身投げした女性が、自身の胎児の脳を移植され、この世に生き返る。
皆が知るフランケンシュタインの物語に近いが、そこはランティモス、予想を裏切っていく。
彼女は性を覚え、冒険の旅に出て、自分らしい生き方を見つけていく。


男女の性描写をこれでもかこれでもかと繰り返すところも、ランティモスらしい。
これもまた、お腹いっぱいの要因。
エマ・ストーン、そこまでするかというくらい女優魂を見せつける。


映像や美術、セットも圧巻だ。
アカデミー賞11部門ノミネートも納得、相当数受賞もあるのでは?
ヴェネチア国際映画祭では金獅子賞も受賞、奇想天外だけではない奥深さも魅力だ。


歴史の上で男性社会に虐げられて来た女性達の自立の物語であり、自由を勝ち得る愛の物語。
ヨルゴス・ランティモス以外の監督では、撮れないでしょう。
ランティモスとエマ・ストーンの再タッグも奇跡的だ。


単なる映画ではない。
「哀れなるものたち」という体験。
心して観よ、そして謳歌せよ。