サスペンス映画にデ・パルマあり | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


クエンティン・タランティーノ、マーティン・スコセッシに続き、今回はブライアン・デ・パルマ。
「悪魔のシスター」がデジタルリマスターで公開中。
デ・パルマもずーっと追い掛けている監督。


子供の頃からヒッチコック映画の虜だったので、その継承者であるデ・パルマも当然好きになった。
デ・パルマこそヒッチコックに取り憑かれた男である。
どの映画にも、ヒッチコックの影響が分かり易く窺える。


「悪魔のシスター」だと、覗きで事件を発見する「裏窓」や、ナイフでの刺殺シーンで「サイコ」、ヒロインが途中で交代するのも「サイコ」だろうか?
音楽も「サイコ」と同じくバーナード・ハーマン、効果は絶大だ。
時代のせいかデ・パルマの場合、エロス要素が強くなり、初期は特に顕著だ。
それが若い頃の自分には、永井豪漫画同様、刺激的でそそられた。


デ・パルマ作品は失敗作も多く、ファンをがっかりさせることも多い。
「悪魔のシスター」も成功とは言えないだろう。
「キャリー」や「殺しのドレス」、「アンタッチャブル」とは比較にならない。
「レイジング・ケイン」や「カリートの道」も個人的には好き。


ヒロインのマーゴット・キダーが懐かしい。
「スーパーマン」のヒロインだった女優。
美しい女優ではなかったが、体当たりで難役を演じている。
もう今はこの世にいない。


クエンティン・タランティーノにも影響を与えたデ・パルマ。
ここ最近の作品はもう見るも無残な有様で、過去の自己作品の模倣を繰り返しているような状態。
しかし、ホラー映画界やサスペンス映画界に与えた影響は計り知れない。


酷評され、駄作でも、デ・パルマ映画のスローモーションやスプリットスクリーン、長回しに出会うと高揚感がある。
自分も、デ・パルマに取り憑かれた一人。
体の一部に、デ・パルマ映画を欲している自分がいるのだ。