1955年にアメリカで実際に起きた、エメット・ティル事件を皆さんはご存知だろうか?
映画を観るまで、自分は全く知らなかった。
多くの方がそうだろう。
1955年8月、14歳のエメット・ティルが初めて南部を訪れた。
ミシシッピ州マネー。
黒人差別の激しい街。
彼の軽率な行動が白人達を刺激し、彼を死に追い込んでしまった。
リンチによって殺害されたのだ。
これは、母の愛の物語である。
今も続く差別による黒人の殺害事件。
製作にはウーピー・ゴールドバーグも名を連ねた。
完成までは、長く厳しい闘いだったと言う。
2022年3月、エメット・ティル殺害事件から67年後、ようやく「エメット・ティル反リンチ法」が成立した。
母親のメイミー・ティルもまた、長い闘いを強いられた。
あの時代に、メディアを使って社会に訴えたのだ。
変わり果てた息子の遺体を公開し、 いかに事件が酷いものかを伝えたのだ。
黒人というハンデを背負いながら。
演じたダニエル・デッドワイラーの悲痛な叫びがこびり付いて離れない。
日本でも評価が高く、多くの人を感動の渦に巻き込んでいる。
母の愛は、海よりも深し、だ。