首よ、飛べ飛べ!!もっと飛べ! | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


北野武監督の待望の新作「首」。
「アウトレイジ最終章」から6年、ようやく。
大胆な解釈というが、もう大胆どころかかなりぶっ飛んでいる。


舞台は本能寺の変。
タイトルに相応しく、飛ぶわ飛ぶわ、首が飛ぶ!
バイオレンスでもあり、コメディでもあり。


嬉々として俳優が楽しんでいるのが分かる。
もちろん北野武監督自身も。
本格時代劇というより、遊びも不断に取り入れた新感覚時代劇だ。


黒澤明監督の時代劇を意識したのは、間違いないだろう。
侍と農民の対比、かつての黒澤映画を思い出す方も多いはず。
だが、北野武監督の方が個人の欲望が前面に出て、生々しい。


役者同士のアドリブ合戦も見物のひとつ。
男性同士の絡みや色恋も可笑しい。
駆け引きや裏切りも、あの時代ならではだ。


武監督の映画をずーっと追い掛けてきた人は、面白いと思うんだろうな。
自分もそんな一人。
若い世代は、もしかしたら面白さが分からない人もいるかも。


今回改めて、北野武監督が全く守りに入ってないところが凄いと思った。
毒をもって毒を制す。
自分で脚本も書き、主演もし、監督もする。


反感を恐れず、我が道を貫く。
媚びず、撮りたいものを撮る。
及ばずとも、自分もそうありたい。