一粒で二度オイシイ役 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


ロウ・イエ監督の新作スパイ映画「サタデー・フィクション」。
1941年、真珠湾攻撃直前の上海。
モノクロのハードボイルド。


自分も長いこと役者をやっていた。
主役なんてもちろんやれないから、小さな役でも与えられれば、全力を尽くす。
それで、どれだけ印象を残せるかが勝負。


オイシイ役というのがある。
それこそ自分とは比較にならないが、今回の中島歩さんが演じる護衛役は正に。
役者なら誰もがやりたい役だろう。


オダギリジョーさん演じる日本海軍少佐を、命を懸けて守り抜く役だ。
台詞よりも佇まい。
体を張り、戦うプロだ。


スクリーンに登場すれば、目が行く。
メインを食える役だ。
女性ファンだけでなく、男性も惚れる役。


諜報員という裏の顔を持つ女優役が、コン・リー。
歴史に関しての複雑さと、虚実入り乱れる展開等、難解さもあるが。
コロナ禍を乗り越え、ようやくロウ・イエの新作が我々に届いた。