
「マンク」に続いてのNetflix映画となった、デヴィッド・フィンチャー「ザ・キラー」。
映画館でも限定公開。
何故デヴィッド・フィンチャーは映画館よりもNetflixを選んだのだろう?
スタイリッシュで常に先鋭的、評価も高く、ファンも多いフィンチャー。
特に「セブン」や「ファイト・クラブ」の影響を受けた映像作家やアーティストは、ゴマンといるはずだ。
「ザ・キラー」の主人公は暗殺者。
ある殺しの失敗により、運命を狂わされていく主人公。
自身の命が狙われることになり、殺しのプロ達が駆け引きを繰り広げる。
作風は、実に地味だ。
「ザ・スミス」のモリッシーの歌声が終始流れることから、自身と向き合う内省的な様子が窺える。
物語には、新しさや衝撃は皆無。
彼自身のモノローグと暗い映像とモリッシーの気怠い声が重なる。
マイケル・ファスベンダー主演。
己を律し、殺しを遂行する孤高の男は、彼にぴったりだ。
だからこそ、些か面白味に欠けるのも事実。
4年間のNetflix契約。
そこから解かれた時、何か新しいフィンチャーが見られるのだろうか?
映画館で観られる映画は幸せだ!