
NHK総合放送の映画「シン・仮面ライダー」制作ドキュメンタリー「~ヒーローアクション挑戦の舞台裏~」を、興味深く見た。
映画製作の難しさ、面白さが伝わって来る。
本当に大変だったろうな。
GOCOOスタジオがアクション練習の場所。
庵野秀明監督とアクション監督の下、主演の池松壮亮さんが仮面ライダーのアクションに挑む。
以前、塚本晋也監督の「斬、」という時代劇でも、ここがアクション練習の場だった。
自分はここでオーディションを受け、浪人役を獲得。
アクション練習に3日間通った。
残念ながら暗闇の洞窟のシーンで、誰が誰なのか分からない状態。
ぼやけてほぼ映っていなかった。
そこで主演の池松壮亮さんと殺陣を練習し、本番に臨んだ。
そう、「シン・仮面ライダー」と「斬、」には共通点がある。
主演が池松壮亮さんであり、共演が塚本晋也さんであり、GOCOOスタジオがアクションに関わっているということ。
アクションをスタントの方がやるならともかく、本人がそのほとんどをやらなければいけない場合は特に。
「シン・仮面ライダー」も「斬、」も、ほとんどを本人がやらなければいけなかった。
庵野秀明監督は、イメージ出来てるようでアクションの人ではない。
だから、初代の仮面ライダーを踏襲しつつ、新しいものをと願っているが、決して具体的ではない。
現場で「違う!」「違う!」とやり直しを命じるが、正解に辿り着かないのである。
クライマックスでは、仮面ライダーとチョウオーグが実際殴り合ってるようにその場の空気を大事にするが、彼らもアクション俳優ではないから、望み通りに対応出来ないのだ。
殺陣ではなく、殺し合ってくれ。
まあ、無茶な話だ。
「シン・仮面ライダー」にあった難解さとぎこちなさ。
噛み合ってなさは、現場の混乱によるものも大きいことが分かった。
リアルと作り物の難しさ、奥が深い。
まあ、そう言いつつ、自分は楽しんだんだけどね。
アクションの大変さ、俳優の大変さ、映画監督の大変さ。
映画作りの大変さ。
それでもみんな映画が好きで、映画作りに夢中で。
映画を観ると、あの場にいたかったなと思うけど、裏側を見ると、いなくて良かったなと思う。