
救ったのか?
殺したのか?
映画で答えは出ない。
「ロストケア」
題材はとてもいい。
介護の現実に焦点を当てて。
松山ケンイチさんと柄本明さんの親子のシーンは凄絶だ。
でも現実はこんなもんじゃないかも。
誰も助けてはくれない。
介護生活に疲れて逃れたくもなるだろう。
申し訳ないが、長澤まさみさんの検事役は駄目だった。
ステレオタイプで表面的だ。
奥行きがない。
そんな彼女が痛いところを犯人に突かれ、後半乱れるはずなのだが。
そう、「羊たちの沈黙」のレクターとクラリスのように。
惜しい。
途中から客席ですすり泣きが聞かれ、主人公の気持ちに寄り添った人も多いだろう。
自分も10年以上前の両親が健在であった頃を思い出した。
今年公開されたフランス映画「すべてうまくいきますように」でも、父親は安楽死を望んだ。
避けては通れない問題。
社会が抱えてる問題。
次は自分の番だ。
子供もいないし、動かない体で自分を守らねば。
根はもっともっと深い。