最高の女性監督、再来 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


ジェーン・カンピオン監督の名前を久し振りに見た。
新作は実に12年振り。
今まで何をしていたんだ?
その映画が「パワー・オブ・ザ・ドッグ」。


カンヌ国際映画祭でパルムドールを受賞した「ピアノ・レッスン」をご存知の方も多いだろう。
他にメグ・ライアンがベッド・シーンを演じた「イン・ザ・カット」等。
女性監督らしい繊細で濃厚な愛の映画で世界的に評価されている。
もちろん映像も美しい。


圧倒的存在感を見せる牧場主を演じるのが、ベネディクト・カンバーバッチ。
男に翻弄され、その息子も振り回されるのはキルスティン・ダンスト。
女性の魅力を存分に引き出すカンピオン監督が、今回はカンバーバッチの男臭さに肉薄する。


そういえば、カンピオンは男の描き方も上手い。
「ピアノ・レッスン」のハーヴェイ・カイテルの色気たるや。
遅咲きのハーヴェイ・カイテルをスターの座に押し上げたのは、クエンティン・タランティーノと、このジェーン・カンピオンだろう。


決して分かり易い映画ではないが、濃口の人間ドラマに触れたい方に。
ヴェネチア国際映画祭では最優秀監督の銀獅子賞受賞。
女性映画監督の極み、カンピオンの世界を堪能あれ。