君は独りじゃない | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


ミュージカル映画は好んで観る方ではないが、この「ディア・エヴァン・ハンセン」。
「ラ・ラ・ランド」「グレイテスト・ショーマン」の作詞作曲コンビが音楽を手掛けている。
舞台ではトニー賞6部門を受賞したブロードウェイ・ミュージカルである。


しかし、ミュージカルにしては導入部から重い。
主人公には友達もなく、片想いの女の子の兄が自殺する。
音楽もキャッチーなものやポップなものより、メロディアスで切ないものが多い。


主演は「ディア・エヴァン・ハンセン」でトニー賞主演男優賞を受賞したベン・プラット。
ちょっとデーブ・スペクターさんに似てる。
役柄故、華やかなシーンには乏しいが、美しいファルセット・ボイスが沁みる。
脇を固めるのはジュリアン・ムーアやエイミー・アダムスといった、ハリウッドを代表する女優達。


自分の周りでも俳優や音楽の夢を抱いた若者が本当にたくさんいたが、ほとんど彼らの夢が叶うことはなかった。
それこそミュージカルで頑張っていた女優さんも身近に知っている。
努力して報われなくても、夢に破れても、彼ら彼女らは生きている。 
だから、先日の女優さんの死は残念である。


使われた詩の一節をここに記そう。

闇が押し寄せても 友の支えがなくても
落ちて壊れても
君は独りじゃない
陽の光を受けよう
手を伸ばせば また立てる
顔を上げて見回せば 誰かがいる
きっと見つけてくれる人がいる
闇が押し寄せても 誰かの支えがなくても
落ちて壊れても
独りじゃない


彼女はこの映画を観ただろうか?