イタリアの巨匠 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


早稲田松竹でルキノ・ヴィスコンティの二本立て。
「異邦人」と「夏の嵐」。


ヴィスコンティは1950年代から1970年代に活躍した、イタリアの映画監督である。
未だ語られ、強い影響力を持ち、フェデリコ・フェリーニと並ぶ偉大な芸術家である。


自分が若い頃に観た「地獄に堕ちた勇者ども」は強烈なインパクトを残し、彼の映画を彩る退廃は常に心を揺さぶった。
「揺れる大地」や「若者のすべて」「ベニスに死す」「ルートヴィヒ」「家族の肖像」等、優れた作品は多い。
彼の映画に描かれるのは、自身がそうであったように主に貴族の没落である。


「夏の嵐」も、ヴィスコンティが生涯を捧げた貴族の悲劇であり、圧倒的な美学と退廃に溢れている。
主演はアリダ・ヴァリ。
「第三の男」のラストシーンで、ジョセフ・コットンの目の前を通り過ぎて行くシーンが有名。


彼女の強めの顔が幸せからの転落をより際立たせる。
アリダ・ヴァリ、「第三の男」「かくも長き不在」「暗殺のオペラ」「サスペリア」、悲劇が似合う女優。


ルキノ・ヴィスコンティ。
膨大なお金を懸け、映画のために身を削り続けた人。
偉大な巨匠の作品は、今も生き続けている。

こちらはイタリア映画について。
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