桃子にも明日がある! | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


邦画をたくさん観る方は沖田修一監督のファンも多いことだろう。
「おらおらでひとりいぐも」は、孤独な老人が主人公の映画だが、沖田監督だからこそのユーモアが満載だ。


原作は若竹千佐子さんの芥川賞受賞作。
孤独な老人が主人公、だけれども登場人物は多く、心の声として、田中裕子さん演じる主人公の周りで「寂しさ1」や「寂しさ2」が登場し、賑やかな会話相手となる。


沖田修一監督の代表作は、「南極料理人」や「横道世之介」「モリのいる場所」等。
人間に対する温かい眼差しは、この映画では特に顕著だ。


夫に先立たれ、誰とも関わることなく日々を生きる桃子役の田中裕子さんがいい。
行くのは病院と図書館くらい。
世の中にこんな老人も結構いるのかも。
彼女は過去に思いを馳せ、生きる希望もない。


普通に老人を見つめたドラマではなく、そこはもう自分の心の声、しかも3人の男性と語らっちゃうぐらいだから、リアルなものとは違う。
でも桃子の立ち上がっていく姿は、観ているこちらも勇気を貰える。


若い人向けの邦画が多いのでね、こういった老人が主役の映画とか、もっともっと増えたら良いのになーと思う。
大人のためのファンタジー。
ついつい桃子と一緒に踊り、歌いたくなるかも!