ジュリエット・ビノシュは心も体も丸裸。
いつも。
日本の女優なら大概尻込みしそうな役も、至極簡単そうに演じる。
いや、絶対簡単ではないのだが。
新作「私の知らないわたしの素顔」では、SNSでバーチャルな恋愛にのめり込んでいく女を演じる。
これまでに世界の賞を総ざらいしてきた大女優が、この役でも躊躇なし。
憑依型女優と言われ、その役を生きる。
今回も、若い男性にはまっていく姿は痛々しい。
こういった醜態も日本の大女優なら晒さない。
映画はベルリン国際映画祭で、「SNSをテーマにヒッチコックが撮ったようなミステリー」と評された。
精神分析医に通いながら、自分を止められない。
女性に限らず、スマホ時代の今、止められない止まらない人は世界中に転がっている。
決して他人事ではないのだ。
明日壊れるのはあなたかも。
私かも。
