僕を産んだ罪で両親を訴える | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


韓国映画が続いたけれども、今度はレバノン映画。
カンヌ国際映画祭審査員賞を受賞し、アカデミー賞やゴールデングローブ賞でも評価された「存在のない子供たち」。


育てられないのに自分を産んだという罪で、両親を訴えた12歳の男の子。
中東の貧困と移民の問題を赤裸々に映し出した衝撃作。


出演者は監督が選んだ実際の貧困地域の人々。
映画の内容と自分の実人生が重なる人ばかり。
その叫びや涙は全て本物だ。
パンフレットのキャストのプロフィールがもう凄すぎて、これも衝撃。


仲のいい妹が11歳で強制的に結婚させられ、離ればなれになるシーンや、エチオピア移民の赤ん坊と二人きりになってしまって放浪するシーン等、リアルに胸に突き刺さるシーンの連続だ。
この映画とカンヌでパルムドールを争ったのは「万引き家族」。
日本も他人事ではないのだ。


弁護士役として出演もしてるナディーン・ラバキー監督のこの映画への想いが伝わる。
この映画を世界に発信しなければならない強い想いだ。
その存在を知って貰うこと。
そういう意味ではこの映画は大成功と言える。


登場人物達は、また映画の世界から現実の世界へと帰っていく。
彼らの今後はどうなるのか?
遠い遠い国の物語だが、それでも気になって仕方ない。