寡黙な副大統領 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


映画を観る楽しみは様々。
物語に惹かれることもあるし、監督にハマることもあるし、その映画のキャラクターにのめり込むことも。
自分の場合は特に俳優重視で。
俳優先行で観て、その俳優の演技に心を動かされることも多い。


クリスチャン・ベールがアメリカのブッシュ時代に副大統領だったディック・チェイニーを演じた「バイス」。
今回も20㎏増量して挑んでいるのだが、この人の場合毎回それをやるのだね。
当たり前にやってるけど、毎度毎度頭が下がる。
そこからまた自分のニュートラルの状態に完璧に戻すのだから。


もちろん彼の場合、増量とか減量とかそれだけではなく、その人物に限りなく近付く。
今回この演技でアカデミー賞主演男優賞を受賞しているが、助演男優賞を受賞した「ザ・ファイター」や減量した「マシニスト」も是非ご覧あれ。
同じ人が演じているキャラクターとは思えないはず。


この映画には他にも妻のリン役にエイミー・アダムス、ジョージ・W・ブッシュ役に去年のオスカー俳優サム・ロックウェル、ラムズフェルドにスティーヴ・カレルと演技派だらけ。
しかも内容はかなりの問題作であり、実験的な試みもされ、見所は満載だ。
これ、当の本人達は観たのだろうか?
どんな反応するんだろう?


リンカーンやケネディ、ニクソン、そのうちトランプだってきっと、アメリカ大統領は次々映画化されるが、日本の首相が映画化されることはない。
中曽根さんだって小泉さんだって、あの田中角栄さんだって。
映画の題材になる面白い人物がいないのか?
うーん、どうなんだろう?
小泉総理の映画、安倍総理の映画、あなたは観たいですか?