月に立った男 | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン


「セッション」のアドレナリン出まくりのラストシーンを覚えているだろうか?
「ラ・ラ・ランド」のほろ苦いラストシーンを覚えているだろうか?
傑作を立て続けに生み出した若き天才監督ディミアン・チャゼルの新作は、月に人類初めて降り立ったニール・アームストロングの物語「ファースト・マン」。


主演は「ラ・ラ・ランド」に続いてライアン・ゴズリング。
彼がディミアン監督以上に重要視したのは、ニール・アームストロングが2歳の娘を失ったこと。
寡黙な男がいつまでも引きずった事実を、ライアンはとても大切にしたと言う。


映画は月への飛行を成功させた男のサクセス・ストーリーだが、同時にその成功を待ち続けた家族の物語でもある。
男女のすれ違いを描くディミアンの手腕は「ラ・ラ・ランド」でも実証済みだ。
今回も主人公と妻の揺れ動く心情が丁寧に描かれる。


アカデミー賞等での評価は決して高くなかったが、ディミアン監督らしいアプローチの作品。
重い内容といい、アメリカ万歳で終わらないところが彼らしい。
我が道を突き進むディミアン監督に今後も注目だ。