走れ!タクシー!! | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン



ソン・ガンホの主演作に、また新たな傑作が生まれた。
1980年5月に多くの死傷者を出した光州事件。
そこに乗り込んだドイツ人記者と、同行したタクシー運転手の実話を元にした「タクシー運転手~約束は海を越えて」。



この映画が感動するのは、お金のために仕事を引き受けた平凡な運転手が、光州の現実を目撃して心を動かされることだ。
ドイツ人の撮影した映像が世界に届くことを信じて、皆がひとつになること。



ソン・ガンホは娘と二人で暮らしている運転手。
過去何度もこの人の演技には感動させられたが、今回は特に素晴らしい演技、彼のアクション、リアクションに揺さぶられる。
最近でも「弁護人」や「密偵」、ジャガイモみたいな容姿と底知れぬ演技力、自分は見る度に好きになっていく。



「映画は映画だ」「義兄弟」のチャン・フン監督はいささか演出過剰で、自分自身入り込みにくい監督であった。
が、今回確かにクライマックスの演出等やり過ぎと思えなくもないが、それでもその力業も含めて映画は成功している。



韓国では1200万人動員したというが、自分が観たシネマート新宿でも人はぎっしり。
口コミでまだまだ増え続けるだろう。
ソン・ガンホのファンなら絶対、韓国映画のファンなら絶対、そして光州事件を全く知らない我々が観るべき映画!



恥ずかしいことはない。
涙でぐちゃぐちゃになろう。