反骨の人、ワイダ | 映画ブログ 市川裕隆の燃えよ ヒロゴン



去年10月9日に亡くなったポーランドを代表する映画監督アンジェイ・ワイダ。
「灰とダイヤモンド」や「地下水道」等、骨太でメッセージ性の強い強烈な作品を数々残した。



遺作の「残像」は、社会主義に抵抗し続けた画家ストゥシェミンスキの人生を描いている。
芸術は自由だと叫び、次第に居場所を失っていく主人公。
それはワイダ自身の姿でもある。



職を失い、食べる物さえない。
幼い一人娘もまた追い詰められた生活を送ることになる。
困窮の中、それでも彼は芸術家として生きることを貫く。



代表作「灰とダイヤモンド」では主人公のテロリスト、マチェクがラストにごみ捨て場で力尽きて死ぬ。
「残像」で数体のマネキンに囲まれて倒れ込むストゥシェミンスキと、マチェクの死が重なった。
最期まで自分の撮りたい映画にこだわったワイダ。
体制と戦うことを決してやめなかったワイダ。
映画人として尊敬する。