
巨大な壁に分断されたパレスチナ。
その向こうには恋人がいて、親友がいる。
乗り越えれば、激しい銃撃が待っている。
死と隣り合わせの今を精一杯生きる青春映画「オマールの壁」。

ポーランドのレジスタンスを描いたアンジェイ・ワイダの「灰とダイヤモンド」や、
ブラジルの貧民街で生き抜く若者をリアルに捉えた「シティ・オブ・ゴッド」。
そういった傑作群と重なる衝撃作。

それにしてもパレスチナに当たり前のように存在する壁に驚く。
何を分けているのか?
引き裂かれた若者は、何度も壁をよじ登り、イスラエル軍から逃れ、密会を繰り返す。
撮影場所も危険なパレスチナだ。

監督のハニ・アブ・アサドは日本の映画にも相当影響を受けているようだ。
特に好きな作品は北野武監督の「ソナチネ」。
嬉しい。
