
ノルウェー産「ハロルドが笑うその日まで」。
この映画、予告編が最強なの。
家具店の偏屈なおじいさん。
隣にIKEAがオープンしたことで閉店となり、腹を立ててIKEA創業者を誘拐する話。
予告編を観て、そそられたよ。

ユーモアに溢れ、主人公ハロルドの暴走に共感もする。
それなのに何故か後半失速。
あまりの主人公の選択の突飛さに、尻つぼみ感は拭えない。
絶対もっと面白くなるはずだったのに。

これを観ると、カウリスマキやコーエン兄弟がいかに素晴らしいかが分かる。
いや、だからそのレベルに達するかもしれない可能性があったということだ。
数年前に「ゴッド・ブレス・アメリカ」というぶっ飛んだ映画があった。
アメリカンニューシネマ的で主人公の行動は常軌を逸していたが、ラストは観客も一体となり、カタルシスが生まれた。
映画の失速はハロルドの失速でもある。
このハロルドは本当にあそこで笑えたんだろうか?

それでも、このおじいさん二人のやり取りは楽しい。
特に雪の中での両者のバトルはたまらない。
主役の俳優さんはノルウェーでは名優だそう。
その鬼気迫る演技にぐいぐい引き込まれる。
あーあ、だからこそ勿体ない!
