6才のボクが、大人になるまで。 (2014) 米 | ゆうべ見た映画

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懐かしい映画のブログです。
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そして「ちょっと休憩」など 入れてます。

リチャード・リンクレーター監督

 

『ビフォア・サンセット』などを撮った

リチャード・リンクレーター監督作品

 

この作品は アメリカで公開当時

批評家、観客から 大絶賛されました

 

 

お話は

 

両親が離婚し 

母と姉と共に暮らす 少年メイソンの 

6才から18才までの 12年間を描いた作品

 

母の離婚、再婚、引っ越し

新しい父や その連れ子たちとの暮らし

この義父のお酒による暴力で 二度目の離婚

また引っ越し 友人宅での居候生活

そして母の三度目のお相手・・などなど

 

この目まぐるしい環境の中で

メイソンもやがて 

ちょいワル仲間 お酒に煙草 そして初恋と

密度の濃い日々を過ごし やがて「子供」を卒業していく

 

しかし 優れた人というのは

エライことを考えつくものです

 

この監督さんは この12年間の物語りを

実際に12年間を費やして 撮影したのです

 

メイソン(エラー・コルトレーン)

 

姉・サマンサ(リンクレーター 監督さんのお嬢さん)

 

母(パトリシア・アークエッド)

 

別れた夫 メイソンたちの実父(イーサン・ホーク)

 

この4人の俳優さんは

12年間、一人の人物を演じ続けましたが

 

もちろん12年間 ずっと撮り続ける訳ではなく

撮影は 2002~2014年まで

断続的におこなわれたそうです

 

カリフォルニア州には ひとつの作品に

7年以上かけてはいけない 法律があるそうで

この映画の契約書類を 作ることが出来ず

 

リンクレーター監督は

自分がもし途中で何かあったら 必ず継続・完成して欲しいと

イーサン・ホークと 固い約束をしていたそうです

監督とホークさんは 大親友なのでした

 

この映画の 素晴らしいところのひとつは

お話が進行していく中で

他の映画で よく使われる手段

 

例えば

それから〇年後とか メイソン〇歳などという

説明文字や せりふがない

 

だからよく見てないと 置いて行かれる

ふと気がつくと

子供たちの表情、体つきが成長している。

 

高校生になった 姉のサマンサは 次第に

ほっぺパンパンの おしゃまな女の子から

恥じらいを含んだ 娘らしい女の子へ

 

ママも スリムな体形が 中年太りとなり

子育ても家庭も上手く行かなくて おばさんっぽくなったり

また恋をして 綺麗になったりするのが よく判る

 

パパは 未だにミュージシャンへの夢を捨てきれず 

家から出て行ったが 子供たちは今もこのパパが大好きだ

 

若い女性と再婚して 赤ちゃんが出来るが

その後もたびたび メイソンたちを訪ね

あちこちに遊びに 連れ出してくれる 

 

そのパパも 徐々に シワも目立つようになる

 

特殊メイクはいらないのだ

ホンモノだもん

 

そして観客は 主要人物の容姿の変化意外にも

時間経過がよく判る

 

それは メイソンの遊ぶゲームボーイの型だったり

ハリー・ポッターの最新刊の発売日だったり

当時の国内情勢が 

イラク戦争、ブッシュ政権からオバマ政権へ・・など

時代の変化が シーンに現れるからだ

 

そして何といっても

メイソン役の コルトレーン君

 

一番変化の大きい 6才から18才

よく途中で投げ出さずに 演じきりましたね

 

          ↓

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          ↓

ワオ!

 

高校を卒業したメイソンは

キャメラマンへの道を 歩んで行く

 

人生は流れ続け 一瞬を切り取ることは出来ない

 

いつもいつも一緒だった 幼なじみのあの子

机を並べ スポーツを いそしんだクラスメイト

 

近所の ちょっと頭のトロイお兄さん・・

隣りのおばあちゃん・・・

 

子供の頃、若い頃は

なんとあっさりと 人と別れていったことか

 

一度別れてしまった人とは

二度と会えないことが多いのに・・

 

ラストは 思いがけないくらい 感動しました

 

 

        花束

 

コルトレーン君と リンクレーター監督

 

 

 

アカデミー賞・助演女優賞

ゴールデン・グローブ賞 作品賞 監督賞 助演女優賞

ベルリン映画祭 監督賞・・などなど

50以上もの賞に 輝きました

 

出演者のみなさん