列車に乗った男 (2002) 仏 独 英 スイス | ゆうべ見た映画

ゆうべ見た映画

懐かしい映画のブログです。
ときどき、「懐かしの銀幕スター」「読書」など
そして「ちょっと休憩」など 入れてます。

パトリス・ルコント監督

 

『髪結いの亭主』『仕立て屋の恋』『橋の上の娘』などの

ルコント監督作品

 

中ではこの映画が 私は一番好きなのだけど

数えたら 10年ぶりくらいの鑑賞だった

主演が『髪結い・・・』のジャン・ロシュフォール

そして 

フランス音楽界のロック・スター ジョニー・アリディ


冒頭、クレジット・タイトルのシーン

 

音楽も無く ガッタン、ガッタンという 

走る列車の音だけが聞こえて

もうここで 胸がキューンとなる

 

 

お話、思いっきりネタばれご免



教師を定年退職し 

今は このフランスの田舎町で 悠々自適に暮らす

マネスキエ(ジャン・ロシュフォール)は

 

ある日


列車でこの町にやって来た 

ミラン(ジョニー・アリディ)という中年男に
夜のドラック・ストアで はじめて会った

この後
町にたった一軒のホテルが 長期休業中だった為 
マネスキエの家に 泊めて貰うことになったミラン

 

「土曜日には出て行く」と言うミラン

「土曜日には 俺も用事がある」と返すマネスキエ

 

こうして3日間を 一緒に過ごすことになったふたり

 

生まれてから 一度もこの町を出たことが無く

生真面目だが 饒舌なマネスキエ

 

鋭い眼光に ただならぬ過去が滲み出る

寡黙なミラン

 

 

お互い これまでの人生で

一度も触れ合うことの無かったタイプの人間同士である

 

実は

 

ミランは この町で仲間と落ち合い

銀行を襲う 計画を立てていた

 

マネスキエは ミランの隠し持っていた銃を見つけ

それを悟るが

 

「その日が暇なら 僕も手伝うんだがな」

と 本気でそう言う

 

その日、マネスキエは

心臓のバイパス手術を することになっていた

 

そんな 銀行強盗のような 悪事もひっくるめて

マネスキエは 

ミランの根無し草のような人生に 憧れを抱き始めていた

 

こっそり ミランの革ジャンを着て

アウトローを気取るマネスキエ


 

 

 

一方、人生の折り返し地点も とっくに過ぎたミランも 

マネスキエのような

落ち着いた穏やかな人生に 惹かれるものを感じた

 

あるときは マネスキエの弾くピアノに耳を傾け

マネスキエは ミランに射撃を教わり

お返しに アラゴンの詩を教えたりした 
 


3日間が過ぎた


ミランは 仲間との約束の場所へ

マネスキエは 手術のために病院へ

 

ふたりは別れた

 

 

しかし、銀行を襲撃したミランは 

仲間の裏切りに遭い

包囲していた警察官に 撃たれ

 

マネスキエの 心臓手術は失敗する

 

 

そして 

この不思議なラストシーン

監督はこの結末を 観る者へ委ねたように思えますが


ふたりが すれ違う瞬間

マネスキエが 自分の屋敷の鍵をミランに渡す

 

次のシーンでは

マネスキエの屋敷で ピアノを弾くミランと

列車でどこかへ旅立つ マネスキエの姿が・・・

 

これは

 

あの日 銃弾を浴びて 路上に倒れたミランと

 

手術失敗のベッドで 目を閉じるマネスキエの

 

死に逝く瞬間に見た ふたりの夢・まぼろし・・



静かな いい映画です

          ピンク薔薇


ジャン・ロッシュフォール

 


ジョニー・アリディ


昔、フランスのプレスリーと言われ 一世を風靡しました 
シルヴィー・バルタンの 元ダンナさん

 

このお二人

この映画の中では 同じ日に亡くなったと言う設定ですが

 

実際には 同じ2017年に 

ロッシュフォールさんは 87歳で

アリディさんは 74歳で亡くなっています