ぼくを葬る (2005) 仏 | ゆうべ見た映画

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懐かしい映画のブログです。
ときどき、「懐かしの銀幕スター」「読書」など
そして「ちょっと休憩」など 入れてます。

 

フランソワ・オゾン監督

「ぼくをおくる」と読むんですね。

『まぼろし』や『スイミングプール』の

フランソワ・オゾン監督。

 

オゾン監督、この頃は好きだったけどな・・



お話、またまたネタバレ、ご免です。


ロマン (メルヴィル・プポー)


パリに暮らすロマンは 売れっ子のカメラマン。

 

しかしある日、癌で余命3か月と診断され

衝撃を受けるが 医師の説明を聞いた結果
化学療法は受けないと決断する。

 

まだ31歳。
つら過ぎる宣告を受けた ロマンは 

仕事仲間にも なにも告げず

 

休暇を取り、実家に帰り

両親や、不仲の姉とも 久しぶりに食事をするが

病のことは話さない。 

 

ロマンはゲイで 

サシャという青年と暮らしていた。



そのサシャにも わざと冷たくあたり 同棲を解消。


それから 田舎で一人暮らしをしている 
祖母に逢いに 車を走らせる。

 

途中、小さなレストランに寄り

ランチをとりながら 

店で働くジャニィという女性と ちょっと世間話をした。



ジャニィ(ヴァレリア・ブルーニ・テデスキ)

そして 祖母ローラの家での一夜。


祖母ローラ (ジャンヌ・モロー)


ローラは昔、一人息子(ロマンの父)を棄て 
他の男性と 奔放に生きた人で 

今もロマンの父は 彼女を許していなかった。

ロマンは この大好きな祖母にだけ

病を打ち明ける。

 

「何故、私に言ったの?」

「僕たちは似ているから・・もうじき死ぬ」

 


「今夜、あなたと一緒に死にたい」

 

ここでロマンは 今まで抑えていた

死への恐怖、孤独感が 一気にあふれ、はじめて泣く。


その夜は 久しぶりに穏やかな気持ちで眠るロマン。


翌朝、花々が咲き乱れる庭での別れ。

 

「私のために、化学療法を受けて」

 

「愛してるよ。早くに出逢ってたら結婚してた」


そして最後に ローラの写真を撮った。


帰る途中、行きに寄ったレストランに寄ると 

昨日、話をしたジャニィが 話しかけて来た。

ここで ジャニィはロマンに 

思いがけない 頼みごとをする。


「あなたは素敵だわ」


夫が原因で 子供が出来ない自分たちに

あなたとの子供を 生ませてくれないかと
これは、夫も承知している話だと・・

だが、ロマンは断る。
「ぼくは子供が嫌いなんです」

しかしやがて 日々が刻々と過ぎるうち

自然とロマンは 死と素直に向き合うようになる。

 

髪を剃り 不仲だった姉と和解し 携帯電話を捨て

そして
ジャニィの願いを 受け入れようと決心する。

こんなふうに
身辺をひとつひとつ、片付けていく
ロマンの行動に 静かな感動を覚えるのだ。
 

ラスト

 

幸せな家族連れ 子供たち、友人、仲間、恋人同士・・

海水浴客でにぎわう 海辺に寝転ぶロマン。

 

やがて陽は傾き ロマンひとりを残して

人々は去って行った。

 

 

 

クレジット・タイトルの画面に 音楽は無く 

寄せては返す 波の音だけが 流れます。

 

 

       赤薔薇

プポーさんのインタビューから。

 

撮影は2カ月間で 順撮りで行われ

劇中で徐々に 痩せていくロマンを

撮影と同時進行の 過酷なダイエットで“体現”した。

 

日々の撮影後には みんなが楽しく食事をするが 

その輪に入れない孤独感や ダイエットによる疲労感が 

自然に演技のなかに出てきたと思う。

 

 

プポーさんは 子役から活躍していました。

 

9歳で映画テビュー 『海賊の町』

ちっちゃい時から美少年!

 

       赤薔薇

 

そして、何と言っても ジャンヌ・モロー

画面に登場しただけで 圧倒的な存在感を感じる。 

 

 

モローさんは 

2017年7月31日 自宅の一室で亡くなっているのを

家政婦によって発見された。

 

89歳だった。

 

 

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