お嬢さん乾杯 (1949) 松竹 | ゆうべ見た映画

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懐かしい映画のブログです。
ときどき、「懐かしの銀幕スター」「読書」など
そして「ちょっと休憩」など 入れてます。

 

木下恵介監督   

ひさしぶりに観た この映画

こんなに面白かったのね!

お話、最後まで。


自動車修理業で 羽振りのいい圭三 (佐野周二)に 
見合い話が 飛び込んで来た。


お相手は 元華族の令嬢・池田泰子 (原節子)


こりゃあ、提灯に釣り鐘だと 

会う前に断る 圭三でしたが


しかし、背中を押されて しぶしぶ会ってみると 

 

泰子は 思っていた以上に美しく
また想像していたような 高慢なお嬢さんではなく 
 

そのうえ先方から この話を進めて欲しいと返事が来る。

 

有頂天の圭三。

弟分の五郎 (佐田啓二)や 

馴染みのバーのマダム (村瀬幸子)や

女性たちを巻き込んで 「お嬢さんに乾杯!」

 


デートで はじめてバレエを観た圭三は 

 

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感激して涙をこぼし

 

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圭三の誘いで 拳闘をはじめて見た泰子は大興奮。

ここらへんは 楽しいシーンがいっぱいです。


原節子さんも ズベシャッと転んだりして 

溌剌としていて可愛い。
そして、なんて美しいのでしょう。


やるせない表情でつぶやくのは

「お腹が減った・・・」

五郎の佐田啓二さんも まだ若くて可愛い。
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恋人の涙を インク吸い取り器で 吸い取る五郎。 

しかし、さて、実は
泰子の父は 詐欺の巻き添えで 今、刑務所におり
池田邸も百万円の 抵当に入っているのでした。

 

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泰子の告白で

 

よくよく、見れば
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ボロい、シャンデリア

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ノブの取れたドア

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椅子のひじ掛けも・・

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やっぱり結婚は お金の為だったのかと 

がっかりする圭三でしたが 
泰子への愛は 深まるばかり。

そんなある日 馴染みのバーで
婚約の披露宴を してくれることになりましたが

しかし 泰子の言葉や態度に 

どうしても真の愛情を 感じられない圭三。

 

「あなたを いい方だと思っております。
 結婚すれば、きっともっと愛情も湧きますわ」

圭三は やっぱり自分たちは 

住む世界が違うのだと 置き手紙を残して 

披露宴の当日、ひとりで田舎に行くことにする。

ここからが、いいんですよ。

別れの手紙を目にした泰子は 始めて圭三を 
本当に愛していた 自分に気付く。

圭三を探しに来た 泰子に向かって
バーのマダムが 酔っぱらった勢いで叱る。


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「じれったい、お嬢さんだ! 
 愛していますなんて そんなお上品な言葉じゃ駄目なのさ」


ラストシーンは

五郎の車で 上野に圭三を追って行く泰子ですが

 

出発まぎわに マダムのそばに来て言います。

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「わたくし、惚れております!」

ジャーン! 

ここで流れる「愛染かつら」

♪~花も嵐も踏み越えて~


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上野へ、上野へ

 

     赤薔薇


面白いシーンが いっぱいあるんですよ。


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泰子の祖父母 (青山杉作・藤間房子)

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泰子の母 (東山千栄子)

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姉夫婦 (増田順二・森川まさみ)


こういった 落ちぶれた豪邸に住んでいる人たちが 
ぞろぞろ出て来るのですが 
このベテラン俳優さん達が さすがに上手くて 

会話が ほんとに面白い。

 

     赤薔薇

 

原節子さんは このとき29歳

この年『お嬢さん乾杯』と『青い山脈』『続・青い山脈』『晩春』の

4本の映画に 出演していますが

 

私は、この作品の節子さんが

一番、可愛くて好きです。