☆ 黒い十人の女 (1961)  大映  | ゆうべ見た映画

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懐かしい映画のブログです。
ときどき、「懐かしの銀幕スター」「読書」など
そして「ちょっと休憩」など 入れてます。

 

市川崑監督

 

 

 

久しぶりに観ましたが やっぱりいいですね。

映画がはじまったとたん、ゾクゾク来る。

 

クレジットタイトルに流れる 

芥川也寸志さんの音楽にも シビレる。

 

もの凄くモダンで スタイリッシュな作品。
シャープな画面構成、モノクロの映像が 恐ろしく素敵です。

 

 

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お話。



テレビプロデューサーの 風松吉(船越英二)は
美しい双葉 (山本富士子)という 妻がありながら 

他に、9人もの愛人がいる。

 

妻の双葉は 松吉の浮気癖には もうすっかり慣れていて
レストラン経営に力を注ぐことで 気を紛らわせている。
 

この、妻も入れて

十人の愛人たちの名前が 番号になっているところが面白い。

            ↓

市子 双葉 三輪子 塩 五夜子 虫子 七重 八代 櫛子 十糸子。
 

 

妻と愛人たちは お互いの存在を知っており

不思議な連帯感と 奇妙な友情が芽生えている。


あんな男のどこがいいのかしら と言いつつ

他の女といるのを見ると 
悔しくて悔しくて 頭がいっぱいになって 何も手につかない。

いつもいつも 気にかかって、あんまり苦しいので
顔を合わせると 女たちは口々に言う。



「風松吉なんか、ぽっくり死んでしまわないかしら」
「誰か殺してくれないかしら」

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「僕のどこがいいんだい、僕なんかつまらない男だよ」

 

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「誰にでも優しいってことは、誰にも優しくないってことよ」

あるとき 愛人のひとりである

女優の市子 (岸恵子)が 双葉を訪ね 

松吉を殺す計画を話し合い 楽しんだ。 


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「睡眠薬なんて、どうかしら」

「分量が難しいわよ、グーグー寝ただけで 起きて来られたら堪らないわ」

「枕をかぶせて、窒息死は?」

「駄目駄目、相当な力がいるわ、こっちが汗ダクダクよ」

 

そんな自分の殺しの噂を 聞いた松吉は


海岸で十人の女に囲まれ、無理矢理、薬を飲まされて

海に捨てられる場面を 想像する。

 

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恐ろしくなった松吉は 妻に相談、助けを求め
ふたりは 狂言殺人を思いつく。

みんなの目の前で 双葉が松吉を殺し 
そのまま松吉は、しばらく雲隠れしてしまう・・・ 

そういう計画。

 

松吉が死んだことで 愛人たちの心も ぷいっと離れるわ。



ある雨の夜、女たちは双葉のレストランに集まった。

 

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その全員の目の前で 松吉に向けて火を吹く、双葉の拳銃。


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ばったりと倒れた松吉。 驚く女たち。


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女たちはすっかり騙され 哀しむやら解放されて喜ぶやら・・・
 

銃は空砲、血はトマト。
計画は大成功。


だけど 誤算があった。

 

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気の弱い 印刷会社の未亡人・三輪子 (宮城まり子)が 

後を追って 自殺した。

(幽霊になって、この後もたびたび 出て来ます)

 

その後、妻・双葉は 市子に松吉を譲り渡し

市子の元で 怠惰な日を過ごした松吉は

 

 

やがて、市子から 会社に退職願が出され

双葉に 離婚届を提出され

 

女9人で 生活費を出し合って 

松吉を養う計画に なっていることを知らされた。

 

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全てを失ったことに 気づいた松吉・・・

 

 

          赤薔薇          

 

なんと言っても 女優さんたちが

自分の美しさに 絶対の自信を持っている。

 

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目尻をキュッと上げて引く 太めのアイライン。
大きく膨らませたヘア・スタイルが 今見ると新鮮。

          赤薔薇

「殺して、殺して、殺してやりたい」

これが当時の キャッチ・コピー。

 


このポスターも 評判を呼びました。


他に

伊丹十三

ハナ肇とクレイジー・キャッツ

森山加代子・・・

 

 

 

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