☆ 青いパパイヤの香り (1993) 仏・ベトナム | ゆうべ見た映画

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懐かしい映画のブログです。
ときどき、「懐かしの銀幕スター」「読書」など
そして「ちょっと休憩」など 入れてます。

 

 


トラン・アン・ユン監督  



目に沁み入るような、パパイヤの葉の緑
茎の切り口から溢れ出る、白い樹液。



蟻や蛙やとかげの 小動物
指の隙間からしたたり落ちる、水の透明さ。

清潔な木の家
風に揺れる 間仕切りの布。

壺 アオザイ 器 お皿 みずみずしい食材
すべての色が美しいです。


ムイ。

 

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お話は 


10歳の少女ムイが サイゴンのある一家に
下働きに 来たところからはじまります。

 

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この家には 一日中、琵琶を弾いてるだけの主人と 
布地店を営み 家計をやりくりする妻と
三人の息子と祖母がいる。

そしてもうひとり 生きていれば
ムイと同じ歳の娘がいたが
彼女は七年前、主人の家出中に病死してしまった。

それまで、何回となく
家出癖のあった主人は 娘の死以来
家に閉じこもって琵琶を弾く以外、何にもしなくなった。


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主人の妻の営む 小さな布地店

 

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妻は 
ムイを自分の娘の 身代わりのように可愛がります。

 


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イジワル。

 


古くからいる女中に教わる 料理のシーンも

観ていて楽しい。

 

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「わたしらの食べる分も 取って置くんだよ」

 

美味しそうな色。

 

 

細長い 青パパイヤ。

皮を剥いて 包丁で切り目を入れると

とても細く、綺麗な、千切りが出来る。


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残った実を割ると

 

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ある日

 

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クエン。

 

この家の長男の友人 クエンが訪れ 
ムイはこのときから 彼に秘かな憧れを抱きます。


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そんなとき、しばらく落ち着いていた主人が
家中のお金を持ち出して 家出をした。


そうして しばらくしたある晩、
いつのまに帰ったのか 誰も気づかぬうちに 

部屋の中に倒れていた 主人が見つかり 
そのまま治療の甲斐もなく 亡くなってしまったのだった。


十年後。

 


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この家の長男に嫁が来たため 
成長したムイ(トラン・ヌ―・イェン・ケー)は
暇を出されますが

幸運なことに 
子供の頃から憧れていた クエンの家に 
働きに行くことになるのです。

 

 

何といっても 料理や食器が 可愛くて楽しい。

 

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今では 新進作曲家のクエン。


クエンには 婚約者がいたのですが・・ 

      ↓

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ムイに惹かれていく クエンの心を知り

彼の部屋で大暴れをする。


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本や置き物を 手当たり次第に投げつけ、壊しますが
その瞬間、鏡の中の 
花瓶を振りあげた自分の姿を見て 絶望して泣く。 


この人だけが
泣いたり、笑ったり、怒ったり・・
感情をあらわにする。

 

私には 幼いムイと並んで 好ましい女優さんだった。

 

 

幸せを掴んだムイ。

 

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読み書きの出来ない ムイが
クエンに教わるシーンも  絵のように綺麗。
 

 

とにかく、極端に台詞を無くしている。

ムイもクエンも まったく会話が無い。

 

 

美しい映像を ふんだんに見せてくれる

私にはめずらしい ベトナムの映画でした。