バリー・レヴィンソン監督
レヴィンソン監督は 『レインマン』を撮った方ですね。
それでは、まず
豪華キャストのご紹介から
ブラッド・ピット
ロバート・デ・ニーロ
ヴィットリオ・ガスマン
ダスティン・ホフマン
ケヴィン・ベーコン
お話、行ってみよう。
1960年代のマンハッタン。
ヘルズ・キッチン(地獄の調理場)と 呼ばれる地区に
仲良し4人組の少年がいた。
このシーンをはじめ
フォー・シーズンズ 『Walk Like a Boy』や
ビーチ・ボーイズ 『Good Vibrations』など
映画全体に流れる オールディズがグッと来るのよ。
ヘルズ・キッチンには
元ギャングで 数々の伝説を持っている
キング・ベニー(ヴィットリア・ガスマン)という ボスがいて
スラム街だが 住人は掟に守られ
少年たちも のびのびと育っていた。
中でも みんなが慕っているのが
元はチンピラだったという ボビー神父(ロバート・デ・ニーロ)で
少年たちは 教会の手伝いをしたり
親に言えない悩みごとの 相談をしたりしていた。
その年の 暑い夏の日
4人は屋台から ホットドッグを盗むことにした。
これも、いつもの悪ふざけで 初めてじゃない。
しかし このいたずらが
彼らの人生を 一変させたのである。
まず、1人がホットドッグを買い
お金を払わずに逃げた。
店のオヤジが追いかけて行って カラになった屋台から
他の3人は悠々と ホットドッグを盗んだ。
このとき3人は 更にいたずらを思いつく。
屋台をどこかへ 移動させてしまうのだ。
「自分の屋台が無くなってたら あのオヤジ、焦るぞ」
しかし彼らは移動場所である 地下鉄の階段入口で手を滑らせ
屋台は轟音を立てて、
木っ端微塵になりながら 階段を落下して行き
ちょうど運悪く 上って来た通行人を直撃した。
戻って来たオヤジも呆然・・
通行人は重体となり
4人は裁判にかけられ 少年院行きとなった。
少年たちは裁判で ホットドッグ屋のオヤジが
ギリシャから妻子を呼び寄せようと 懸命に頑張っていたことを知る。
「俺たちには、そういうことが見えなかった。
あのオヤジをカモとしてしか 見ていなかった」
少年院で 彼らを待ち受けていたのは
看守のノークス(ケヴィン・ベーコン)を筆頭とする
残忍な看守グループによる 虐待だった。
↓
昼間は、見せしめの為の暴行を加えられ
夜は地下室で 看守たちの欲望のはけ口となり
連日、性的虐待を受けた。
真夜中になると いつも誰かが泣いていた。
胸を掻きむしる 押し殺した声
一生、耳に付く
それを聞くと 人生が変わる 泣き声
少年たちは 心にも体にも
一生癒えることはないであろう 深い傷を負った。
15年後。
シェイクス (ジェイソン・パトリック)は 新聞記者に、
マイケル (ブラット・ピット)は 地方検事となり
ジョン(ロン・エルダード)と
トミー(ビリー・クラダップ)は
札付きのギャングになっていたが
ある夜、このふたりは
レストランで偶然、落ちぶれた元看守のノークスを見つけ
その場で射殺し、逮捕された。
食事中に殺られる ノークス。
↓
「覚えてねーな」
大人になっちゃったもんね。
人生最後の食事。
「ミートローフかい、残念だな、ここはチキン・サンドがウメエんだぜ」
そして後半は
裁判で このふたりを無実にし
少年院の虐待の事実を 明るみに出すべく
検事のマイケル、記者のシェイクスは
アル中の弁護士スナイダー(ダスティン・ホフマン)を 担ぎ出し
ボスのキング・ベニー、ボビー神父まで
一丸となって 復讐に乗り出す。
原作は
ニューヨーク・デイリー・ニュース紙の元記者
ロレンゾ・カルカテラ (映画ではシェイクス)の
実体験に基づく ノンフィクション小説で
当時、米では大ベストセラーになったそうですが
州や裁判所では 看守殺害の裁判の事実は無く
またこのような少年院は実在しないと
論争になったそうです。
何と言っても魅力あるのは ケヴィン・ベーコン。
嫌らしくって、憎らしくって、こういう役は最高ですね。
それから
マイケル(ブラ・ピ)の 少年時代を演じたのは
『マイ・フレンド・フォーエバー』『ゴールデン・ボーイ』などの
美形子役の ブラッド・レンフロ君でしたが
レンフロ君は12年も前に 25歳で亡くなってしまったんですね。
惜しいなあ。
ブラッド・レンフロ
"Sleepers"とは 「少年院上がりの者」を指すそうです。