懐かしドラマ 「ガラスの知恵の輪」 1982  | ゆうべ見た映画

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懐かしい映画のブログです。
ときどき、「懐かしの銀幕スター」「読書」など
そして「ちょっと休憩」など 入れてます。


 

 

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 倉本聰  原作・脚本



38年前、TBSで放送された 6話完結のドラマ。
当時、私は見ていませんでしたが
まあ、いいドラマだったんですね。


オープニングに流れる曲は 『グレン・ミラー物語』 

サントラ盤「ムーンライト・セレナーデ」
挿入曲として 「イン・ザ・ムード」も使われています。


そしてこの曲に乗って流れる クレジットタイトルの映像は
 

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あの頃、流行した 「竹の子族」が踊る 
原宿の賑わいの中で 
ピエロ姿でパフォーマンスをする ショーケン。

足を止めて、笑いながら見上げる人
ちらと眺めて、通り過ぎる人・・

このあまりに自然なシーンは
ショーケンと知らさず 撮影したのかな?


お話です。

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 ハチこと、沢木八郎 (ショーケン)


ハチは ピエロのサンドイッチマン。


ハチのアパートの廊下を挟んだ 向かいの部屋には
恋人のチャラが 住んでいる。


もうふたりはだいぶ "永い春"なのだけど
なかなか結婚に 踏みきれない。

 

 チャラ (児島美ゆき)


故郷・北海道の小樽で 一人暮らしのハチの父は 
元ガラス職人だが 今は少々、認知の症状が現れはじめ

注文も無いのに 戦後の闇市で流行したという 
“ガラスの知恵の輪”を せっせと作り続けている。

 

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 父 (河原崎国太郎)

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優しさと脆さの象徴 "ガラスの知恵の輪"


ある日、ハチは仕事中 
今、売り出し中の 人気清純派女優・安西ユカの 
電話の内容を 偶然聞いてしまう。

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 安西ユカ (大竹しのぶ)

 

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ピエロがまさか、人間とは思わず・・・

それはプレイボーイで有名な
人気スター・松山洋介との 密会の約束だった。

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 松山洋介 (谷隼人)


ハチは そのネタを 
友人のルポライター・泉に教えた。
彼が病気の子供を抱え 金策に困っていたからだ。

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 泉 (火野正平)


結果、泉はスクープをモノし
ユカはマスコミに 追い回され


たまたま出会った ハチの機転に救われる。

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「誰かが・・、ぜんぜん関係のない誰かが・・
 週刊誌に売ったんです。 私、信じられない・・・」

 

 

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張本人であるハチは 深い後悔に悩みますが
どうしても真実を打ちあけられない


マスコミを撒いて 逃げる車中
ハチとユカは 故郷が同じ小樽と判明したことで
ぐんと距離が縮まる。

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「私、あそこの国鉄官舎に住んでいたの!」

「えー!そんじゃ、すぐ近くじゃない!」

 

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「手宮、国鉄官舎、それから、そこを曲がると・・」
「そうそう、蒲鉾屋にサイトー自転車、仏壇屋、手宮小学校!」


盛り上がるふたり。
ショーケンの「あやぁ~、」も聞けます。
 


この後、ユカの母親が 突然亡くなり


存在を隠していた ムショ帰りのヤクザの兄が葬儀に現れ
うるさいレポーター集団を ぶん殴り、ぶっ飛ばし・・
 

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 ユカの兄 (ガッツ石松)


「プレイボーイと密会!」 「暴力団の実兄!」で
"清純派女優"の仮面を剥がされた 安西ユカは

マスコミの餌食になり ボコボコに叩かれ 
芸能界で孤独なユカは ハチにすがり

重すぎる罪を 感じているハチは
ユカを連れて 小樽に逃げることになります・・・。


いいシーンが、たくさんあるのです。

 


洋介の元に行こうと 列車を待つユカに
線路を挟んだ こちら側のホームから


「行ってはいけない・・・」

想いのありったけを込めて 

ハチがパントマイムで 気持ちを伝えるシーン。

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それから


ハチの父が 精魂込めて作り続けた
"ガラスの知恵の輪"  1000個が
一気に破壊される 衝撃のシーン。


お話の結末も いいんですよ。
いい終わり方なの。


倉本聰さんは 以前から 
ショーケンは天才だと 言っていて
そうかな、それほどかな、と思っていたけれど
でも確かに そうかも知れない。 

誰にも真似出来ない 独特な表現の出来る
凄い俳優さんだったと 改めて思いました。


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しかし、このドラマの少し前
大竹しのぶさんと
TBSのディレクター服部清治さんの スキャンダルが
連日、ワイドショーを賑わせていた事実があり

この現実の出来事を ドラマに取り入れた手法を
ショーケンさんは理解し難く


この後、倉本聰さんとは 距離を置くようになったと
ご自分の本に 書かれています。

確かに、この後の一本 ドラマ『君は海を見たか』以後
お二人による作品は 無いようですが
もう少し歳を取った ショーケンの 
倉本作品も 見たかったような気がする。

ドラマを見ている間じゅう 
ほんとにショーケンは もういないんだな、と
何度も思ってしまった。
 
どうも、未だに信じられなくて 
センチメンタルな気分が 抜けなかった。



 

 

 


他、出演の俳優さんたち。
村井国夫・結城美栄子・芹明香・平泉征・中条静夫・岸田今日子
中村伸郎・小野武彦・戸川純・岩城滉一さんなどなど。



いい作品なので ご紹介しましたが
ソフト化されてないみたいなんです。
ケーブルテレビで放送されたので DVDになるかしら。