懐かしドラマ 「淋しいのはお前だけじゃない」 | ゆうべ見た映画

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懐かしい映画のブログです。
ときどき、「懐かしの銀幕スター」「読書」など
そして「ちょっと休憩」など 入れてます。

市川森一脚本 1982年

1960年くらいから?  テレビ界では
倉本聰、山田太一、向田邦子、鎌田敏夫・・といった
優れた脚本家さんが たくさん活躍なさっていましたが
私は断トツ、市川森一さんが好きでした。

「傷だらけの天使」は 複数の脚本家さんたちが
交代で書かれていましたが
あ、今日の回はセンスいいな、と思って確認すると
いつも市川さんだった。

このドラマも 当時、夢中で観ていたので 
今回ケーブルテレビで 放映されたのが
信じられないくらい、嬉しかったのです。

 

 





 

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主役は サラ金の取り立て屋・沼田(西田敏行)

 

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亭主の沼田に 何かといってはどつかれる
妻・よし江(泉ピン子)
 

 

沼田の厳しい取り立てに
利息も払えず逃げ回っている 焦げ付き連中五人

          ↓
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① 家庭崩壊寸前・自動車セールスマン

   河原崎長一郎

 

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② 強度自律神経失調症・コンピューター業務

   山本宣

 

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③ 自殺失敗亭主の借金肩代わり

スーパー・レジ 萬田久子

 

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④ 逆玉結婚チャンスに元カノがストーカー

ホテルマン 潮哲也

 

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⑤ ヤル気・生きがいゼロ

   国鉄職員 矢崎滋

 


あるとき、親会社のボス・国分(財津一郎)から
沼田に指示が来る。

 

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朝は「ツァラトゥストラ・・」で目覚める
クラシック好みの 超大物やくざの国分。


国分の愛人・常子(木の実ナナ)が 
女形役者・市太郎(梅沢富美男)と 駆け落ちしたので
落とし前として 慰謝料2千万の証文に 
ふたりの捺印を取って来い、と言う。


共に旅役者の子で 幼馴染みの

      市太郎と常子


しかし沼田が二人の潜伏先 四万温泉に行き
常子の身の上を聞くと 常子の亡くなった母親は 
「花村月之丞一座」の座長で 沼田は子供の頃
忘れられない恩を 受けたお人でありました。

沼田は国分に嘘の報告をし ふたりを逃がしますが
嘘はあっけなく見破られ 沼田は半殺しの目に合わされたうえ
2千万の連帯保証人にされてしまう。

沼田と常子と市太郎は 借金返済のため 
常子を座長として「花村月之丞一座」を旗揚げすることに。

 

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しかし以前いっしょに ドサ回りで苦労した仲間は
年老いた政吉(原保美)の他は ひとりも集まらず

 

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政吉の原保美さん  懐かしいなあ。

苦肉の策で 例の借金地獄に喘いでいる
河原崎・山本・矢崎・潮・萬田の五人を
一度だけと騙し、舞台に上げる。

嫌だ、冗談じゃない、と怒っていた五人は
白塗りに 綺麗なおべべを着せられ
舞台で拍手を浴びると もうこの世界から抜け出せなくなる。

 

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楽しいお稽古。


現実に帰っても 借金まみれに 壊れかかった家庭
遣り甲斐のない仕事、うつ病、結婚話のもつれ・・・
夢も希望もなく ただ流され、生きていくだけなのだ。

 



かくして、場所は下北・すずなり横丁に
急ごしらえの 素人劇団・旗揚げ!
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この時点で 座員10名・借金総額2683万5411円。

国分に返済する 利息の金額が凄い。
ひと月→138万円
1日→4万6千円
それを10日括りで→46万づつ 
死神みたいな 国分の手下(尾藤イサオ)が取りに来る。

頼りになるのは 木戸銭とおひねり
食べる物も切り詰め 役者の他に真夜中までバイト
全員、死にもの狂いで お金を集める・・・
 

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一回ごとのタイトルが
「一本刀土俵入り」「雪之丞変化」「瞼の母」など
お芝居の題名になっており、内容もそれに沿っている。

 

 

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こんな訳で、どっぷり浸る演歌の世界。
♪~ これこれ、石の地蔵さん~♪ ← ひばりさんの「花笠道中」
もう、思わず一緒に歌っちゃう、踊っちゃう。

 

 

 

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市太郎の梅沢富美男さん  このお顔が

          ↓

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さすがお綺麗! 

 

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  昭和枯れすすき

 

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  矢切の渡し

 


そして、さすが市川森一さんなのは
この演歌の洪水をぬって
気がつけば、映画音楽が控えめに流れてる。
騙しの場面では「スティング」
ロマンチックな場面は「シェルブールの雨傘」・・

ラストがまたまた、カッコいいのよ
遂に、沼田が決意する。
「国分をぶっ殺す!
 ドスもハジキもいらねえ、芝居で殺すのよ!」

で、ほんとに正真正銘 芝居で国分をヤッちまう。
このアイデアも素晴らしいです。

芸達者な俳優さんばかりですが
まったく、ドタバタしたコメディではありません。
むしろ、暗くて哀しくて 特に最終回は泣けた。


丁寧に創られているんですよ。
私の好きな場面のひとつ。

        ↓

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西田さんが 四万温泉に行くところ。
上越線の窓に 揺られている西田さんを 
線路に沿った 手前の道路から 
列車と並行して車を走らせ ずーっと撮り続ける。

これ、大変な撮影ではないでしょうか。


その後も ひなびたバスに長々と揺られ
温泉に着いた頃は あたりは夕闇に覆われている。
時系列で 一緒に旅した気分です。

そして私、実はピン子さんが好きじゃなくて
このドラマでも ほとんど印象に残っていなかったんですが
なんと今回観たら、ピン子さんが断然いいんですよね。

 

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西田さんは改めて上手いなあ、と思いましたが
お二人のコンビは 素晴らしかった。

 

 


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端から端まで、ず、ず、ずいーっと

宜しく御願い申し上げます。


みんなにも観てほしいなあ。

 

ほとんどの画像は 私が撮りましたので

ぼやけていたり、テレビが映っていたり… ごめんしてね。