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きっと夢はかなう ~乾癬で苦しむ人がいない世界を~

私たちのビジョンは『乾癬で苦しむ人がいない世界』を実現させること。
乾癬という病気を広く一般の人たちに知ってもらい、
乾癬でも暮らしやすい社会をめざし、
たとえ病気でも日々の生活を楽しめるように
乾癬の啓発と患者さんの未来のために活動している団体です。

これからだんだん冷たいビールがおいしい季節になりますね。乾癬があってもお酒を飲んでよいかどうかは乾癬患者会の勉強会などでもしばしば質問されます。この記事ではお酒と乾癬について考えてみようと思います。

 

cheetahさんによる写真ACからの写真

 

お酒は乾癬にどんな影響を与えるのでしょうか?

 

過度の飲酒は、リンパ球の活性化による炎症性サイトカインの放出や角化細胞の増殖の亢進に、直接的または間接的に関係していると言われています[1, 2]。

 

飲酒量と乾癬の重症度には関係があるという報告もありますが、乾癬患者には喫煙者やメタボリックシンドロームも多く、必ずしもアルコール摂取量だけが乾癬の重症度と関係しているとは言えないようです[3]。

 

ここでちょっとお酒の量のお話を。どのくらいの量のお酒を飲んだかは、たとえば「ビールを中ジョッキで2杯」や「日本酒を3合」など、一般的には飲んだお酒の種類とその量で表しますよね。

 

しかし、お酒に含まれるアルコールの量はお酒の種類によってさまざまです。そこで、「純アルコールで○グラム」と表すことで、飲んだお酒の種類は違っても、摂取したアルコールの量がわかるようにしています。

 

純アルコール量の計算方法はこちらに記載があります。

 

日本では純アルコールで1日あたり平均60グラムを超える量の飲酒を「多量飲酒」と定義しています[4]。

 

乾癬患者は多量飲酒になっている人が多いのでしょうか?

 

イギリス人乾癬患者では30.6%にアルコール使用障害がみられたという報告があります [5]。一般的なイギリス人におけるアルコールの有害な使用、依存症候群がそれぞれ19.76%、10.25%という報告がありますので[6]、直接比較はできませんが、乾癬患者だから特にアルコールの問題を抱えている人が多いというわけではなさそうです。

 

さらに、乾癬と飲酒に関する23報の文献を調べた結果、18報で乾癬患者の飲酒量が一般の人よりも多かったという結果で、そのうち3報では乾癬患者は一般の人とくらべて過度の飲酒が多かったという結果でした。

 

しかしながら、5報では、乾癬患者の飲酒量は一般の人とくらべて多くなかったという結果で、これらの結果から乾癬患者における飲酒癖が一般の人よりも高頻度であるというエビデンスとしては限定的となっています[7]。

 

これらのことから、適度であれば、必ずしもお酒を飲むことが乾癬に悪いということはなさそうですので、無理に制限しなくてもよいと思いますし、むしろ楽しく飲むことはよいことだと思います。

 

乾癬患者は非難・差別に対する恐れや自己イメージの低さなどから不安や抑うつになる人もいて、アルコールには不安を和らげる作用があるため、そういったことから逃れるためにお酒を飲む人もいます。しかしながら、過度の飲酒はかえって不安や抑うつを悪化させてしまいますので[8]、やはり飲む量は控え目にした方がよさそうです。

 

また、お酒は飲み薬との相性が悪い場合もありますし、飲み過ぎて肝臓を壊してしまうと、乾癬治療に使える薬も制限されてしまいます。

 

人によって個人差はありますが、お酒を飲むならば、適度な量を楽しむようにしたいですね。ちなみに、日本で「節度ある適度な飲酒」の量は、純アルコールで1日平均20グラムと推奨されています[4]。

 

次はまた食べ物について書こうと思います。

 

この記事を書くにあたって参照した文献:

1. Farkas A, et al. Psoriasis and alcohol: is cutaneous ethanol one of the missing links? Br J Dermatol. 2010;162:711-716

2. Farkas A, et al. Alcohol, liver, systemic inflammation and skin: a focus on patients with psoriasis. Skin Pharmacol Physiol. 2013;26(3):119-126

3. Svanström C, et al. Psoriasis and alcohol. Psoriasis. 2019;21(9):75-79

4. 健康日本21(アルコール).厚生労働省. July 2020 [https://www.mhlw.go.jp/www1/topics/kenko21_11/b5.html#A53]

5. Al-Jefri K, et al. High prevalence of alcohol use disorders in patients with inflammatory skin diseases. Br J Dermatol. 2017;177(3):837-844

6. Roberts E, et al. The prevalence of wholly attributable alcohol conditions in the United Kingdom hospital system: a systematic review, meta-analysis and meta-regression. Addiction.2019;114:1726–1737

7. Brenaut E, et al. Alcohol consumption and psoriasis: a systematic literature review. J Eur Acad Dermatol Venereol. 2013;27 Suppl 3:30-35

8. Adamzik K, et al. Alcohol and psoriasis: sobering thoughts. Clin Exp Dermatol. 2013;38(8):819-822

「乾癬」と「食事」でインターネットを検索すると、「これを食べてはいけない」や「乾癬を食事で治す」など、たくさんの情報が出てきます。でもこういう情報ってちゃんと科学的に検証されているのでしょうか?

 



写真素材 food.foto
 

 

よく出てくるのが「糖質や脂質を制限する」というものです。これは主に摂取カロリーを減らすという意味だと思います。確かに肥満が乾癬の発症や悪化と関係しているという研究報告があり[1, 2]、それは白人だけでなくアジア人についても[3]、また、子どもについても同様の研究報告があります[4]

 

 

では、摂取カロリーを減らすと、乾癬はよくなるのでしょうか?結論から言えば、摂取カロリーを減らし、体重を減らすだけでは乾癬をよくすることはむずかしく、薬物治療や紫外線治療などの基本的な乾癬治療と組み合わせることが必要です。

 

さらに、こういった体重減少の乾癬治療への付加的な効果は、もともと太り気味の人(BMI>25)で確認されていて[5-7]、あまり太っていない人でも同じような効果があるかどうかはわかりません。

 

BMI:Body Mass Index(体格指数) = 体重(kg) ÷ 身長(m) ÷ 身長(m) 

 

それに、やっぱり日本人、白いご飯はおいしいし、唐揚げも食べたい!ムリな食制限はかえってストレスになりますし、長続きもしません。

 

実際にカロリー制限の効果が維持されるのは3ヶ月から半年程度で[8, 9]、過度なカロリー制限は倦怠感、軽度の頭痛、便秘、ふらつき、冷え性、空腹感などの副作用の原因にもなります[10]。

 

食事は、私たちの体を維持し、健康を増進させるのにとても重要ですよね。たとえ乾癬があったとしても、過度なダイエットはかえって体の調子を悪くする可能性がありますし、体重を落としたいのであれば適度な運動(関節炎のある人はできる範囲で!)も取り入れたいですね。

 

これから何回かこのテーマでブログ書いていきます。

 

この記事を書くにあたって参照した文献:

1. Wolk K, et al. Excessive body weight and smoking associates with a high risk of onset of plaque psotiasis. Acta Derm Venerol. 2009;89(5):492-497

2. Murray ML, et al. Relationship pf psoriasis severity to obesity using same-gender siblings as controls for obesity. Clin Exp Dermatol. 2009;34(2):140-144

3. Huang YH, et al. Relationships between obesity and the clinical severity of psoriasis in Taiwan. J Eur Acad Dermatol Venerol. 2010;24(9):1035-1039

4. Paller AS, et al. Association of pediatric psoriasis sesverity with excess and central adiposity: an international cross-sectional study. JAMA Dermatol. 2013;24(9):166-176

5. Kimball AB, et al. Weight loss in obese patients with psoriasis can be successfully achieved during a course of phototherapy. J Eur Acad Dermatol Venerol. 2012;26(12):1582-1584

6. Gisondi P, et al. Weight loss improves the response of obese patients with moderate-to-severe chronic plaque psoriasis to low-dose cyclosporine therapy: a randomized, controlled, investigator-blinded clinical trial. Am J Clin Nutr. 2008;88(5):1242-1247

7. Del Giglio M, et al. Weight reduction alone may not be sufficient to maintain disease remission in obese patients with psoriasis: a randomized, investigatot-blinded study. Dermatology. 2012;224(1):31-37

8. Roongpisuthipong W, et al. The effect of weight loss in obese patients with chronic stable plaque-type psoriasis. Dermatol Res Pract. 2013;2013:795932

9. Jensen P, et al. Long-term effects of weight reduction on the severity of psoriasis in a cohort derived from a randomized trials: a prospective observational follow-up study. Am J Clin Nutr. 2016;104(2):259-265

10. Jensen P, et al. Effects of weight loss on the severity of psoriasis: a randomized clinical study. JAMA Dermatol. 2013;149(7):795-801

あなたは、あなたのお友達や職場の同僚、学校の友達に先生、

サークルのメンバーなど周りの人に

自分が乾癬だと言えていますか?

 

患者さん同士の会話の中でも、

SNSのつぶやきを見ていても

乾癬を患っているということを言えない患者さんってとても多いなぁ~と思うんです。

 

一緒に暮らしている家族にも本音を言えないという人たちもいます。

私も言えないひとりでした。

 

でした… 

というか、今でもどこでも誰にでも言えるか?

といったら…

自信はない…かな^^;

 

どうして言えないんだろう…

人によって理由はさまざまだと思います。

 

「乾癬」って「感染」と間違われそうだからいちいち説明しなくちゃいけない。

その説明がめんどくさい…

 

そもそもどう説明していいいかわかんないし

やっぱりめんどくさい…。

 

アトピーみたいなモンなんだ~”

(私は随分とコレ↑で誤魔化してきました。)

 

「カンセン」なんていう言葉の響きも悪いから

ヘンな病気だと思われるのが恐い…

 

見た目が悪いし、聞いたこともないような病気だから

言ったら嫌われそうで恐い…

 

人の目が気になるから必死で隠してる…

 

見られるのも何か言われるのも恐い…

 

感染する?不潔汚い?と思われないかな…

 

誤解されるのが嫌…

 

言えない理由

隠したい理由はさまざまあるけれど

 

とにかく…

この病気のことを知ってるのは

社会の中でもごくごくわずかしかいないですよね、たぶん。。。

 

乾癬という病気のことを全く知らない人に、

乾癬を説明するのってすごく大変なことでもあると思います。

 

もし…

乾癬という病気がアトピーのように

もっと広く一般の人に認知されてる病気だったら

ここまで辛い想いすることはないのかもしれません。

 

「私ね、乾癬なんだ~」

「へぇ~ 乾癬だったんだね」

 

こんな会話がフツーにできるようになることを目指して

出来ることをやっていけたらいいなと思っています。

 

乾癬をどう伝えたらいいか

乾癬を理解してもらうにはどうしたらいいか

 

「伝える」 でなく 「伝わる」 ように

具体的に考え実行するために只今絶賛準備中です^^

毎年10月29日は世界乾癬デー!

 

2004年、International Federation of Psoriasis Associations

(IFPA:国際乾癬患者団体連盟)

世界1億2500万人の乾癬患者のための日として

毎年10月29日を世界乾癬デーとしました。

<2019年IFPA総会(バルセロナ)にて>

 

IFPAは1971年に設立された非営利組織です。

ストックホルム(スウェーデン)に本部を置き、

56ヶ国(2020年6月現在)が加盟する

乾癬患者団体の国際連盟です。

もちろん、日本も加盟しています。

 

世界乾癬デーの目的は次の4つです:

 

そして、世界乾癬デーには

年ごとにユニークなテーマが設定されます。

 

2020年のテーマは「INFORMED」。

乾癬という病気がまだあまり広く知られていない日本では

 

身近な人に乾癬について知ってもらう。

Having your close people be informed on psoriasis.

そのためにまずは自分の乾癬について知る。

Therefore, you should be informed on your own psoriasis first.

 

というメッセージを発信していきます。

 

                                    (nori)

世界乾癬デーには、IFPA(国際乾癬患者会連盟)のメンバーがその年のテーマを決めています。

 

今年のテーマは

『INFORMED』

 

INFORMEDって日本語にそのまま訳すとなんだか微妙…

そこでINSPIREメンバーでこのテーマをどう解釈して伝えるかを話し合いました。

 

乾癬患者がなぜ孤立し、ひとりで悩んでしまうか…

 

「乾癬」のことをわかってもらえない…

わかってもらう前に、そもそも自分が「乾癬」だと言えない…

「乾癬」っていう病気のことを説明するのが億劫…

患者さん自身もこの病気のことをよく知らない…

 

伝わらないジレンマ、わかってもらえないという寂しさ、

病気から受ける苦痛

 

さまざまな理由から、

ひとりで抱え込んでしまうってこともあると思います。

 

乾癬であることを伝えることは

とてもとてもハードルの高いことなのかもしれません。

 

どうしたら乾癬のことをわかってもらえるか?

どう伝えたらいいか?

乾癬のことをどう説明したらいいか?

 

乾癬のことをあなたの大切な人に伝えるために…

あなたの周りの人とのコミュニケーションのために…

患者さん自身が乾癬についての適切な情報を持って

身近な人に乾癬について知ってもらうように

つなげていきたいと思いました。

 

その情報は決して医学的専門知識を必要とするものではなく、

私たちが乾癬という病気について知っておいて欲しいと思うことでいいんだと思います。

 

乾癬のことを気にせず生活できることができたら、

人の目を気にしないで生活できたら、

私たちの日常が変わってくるかもしれません。

 

ひとりではできなくても

一緒にやってくれる仲間がいたら

背中を押してくれる仲間がいたら

できるかもしれません。

 

INSPIRE JAPAN WPDは

乾癬患者さんが

「私ね、乾癬なんです」

って言えるようになることを願いお手伝いしたいと思っています。