今回はアメリカの小学校の様子について。

 

はじめての方はこちらもどうぞ!

 

我が家の三人の子どもたち、3年生女子、2年生男子、幼稚園年長女子は三人とも同じ公立小学校に通っています。こちらでは年長さんから義務教育で小学校がスタートするので、我が家にとって今年度は、こども全員が就学するという記念すべき年となりました。妻も私も渡米したのは大学から。なのでアメリカの幼小中高は未知の世界です。幼稚園も小学校も驚かされること満載で、これは中高と進学してもずっと続いていくんだろうなと思います。

 

(私達の子供たちはチャータースクールと呼ばれる公立小学校に通っています。

アメリカ教育機関の多様性についても投稿してみたいと思います。)

 

楽しい幼少時代を日本で過ごした私たちにとって、小学校の思い出といえば休み時間。妻も私も日本の小学校に通っていたのは三十数年前。当時と比べて今は色々変わったんだろなと思いますが、私たちの時代にはそれぞれの授業の合間に毎回休み時間があって、チャンスさえあれば校庭に飛び出して遊んでいました。20分休み(今聞くとたった20分?って思いますが、あの頃は「よしっめっちゃ遊べる!」って気合いの入る特別な休み時間でしたよね?)と昼休みは遊び場所の争奪戦、朝も早く登校すればするほど長く遊べて、放課後も下校のメロディーが流れるまで遊んでいた記憶があります。私はとにかく毎日朝から晩まで友達とサッカー漬け。これが小学校時代の記憶です。

 

その記憶のままこちらの小学校に我が子を送り出して、その休み時間のあり方にはカルチャーショックを受けました。このブログ、ずっと驚愕したとかショックを受けたことばかり書いていますが、こちらで暮らしていると本当にそんなことばかっりです。

 

もちろん学校によって(公立私立など)、あるいは地域によって休み時間のあり方には違いはあると思うので、すべてのアメリカの小学校に当てはまるとは考えず、ここからの話は参考程度にしてください。

 

こちらの小学校の休み時間は「recess(リセス)」と呼ばれ、基本的に一日に一回しかありません。我が子の学校の場合は毎日30分程度。校庭に出て体を十分に動かして遊べるのはこの時だけです。それ以外の授業の合間は、次の授業への移動時間やクラス全員でのトイレ休憩、個別に作業、読書、プリント、アクティビティなどに取り組んで過ごすので、休む時間というよりも作業をする時間のようです。学校が始まる前の朝の時間も放課後も、校庭で自由に遊ぶことは許されていません。朝はそれぞれの教室に直行、放課後は親の迎えの車に直行です。

 

この一日に一回の休み時間ですが、そのあり様も日本とは全く違います。

 

まず、同じ学年の子どもたちとしか遊びません。日本の小学校ですと、校庭に低学年も高学年も混ざっているのが当たり前ですが、こちらでは学年をミックスして校庭で遊ぶ機会はなく、学年ごとにたとえば「小学校1年生クラスは10:00-10:30がリセス」「小学校2年生クラスは11:00-11:30がリセス」というふうに割り当てられています。私は学年をまたいで遊ぶことにはプラス面が沢山あると信じているので、この点はとても残念なのですが、体格や力、発達段階が全く異なる上級生と下級生を完全に切り離すことで怪我や事故、いじめのリスクを減らせる、という学校側の言い分もわかります。

 

(学校での休み時間の様子)

 

校庭に出ていく時、校庭から戻ってくる時は、クラスみんなが一列に並んで先生付き添いのもと移動します。「プリントが終わった子から休み時間でいいよー」とか「給食を早く食べて外に行こう!」なんて子どもたちがバラバラに教室を飛び出していくことはありえないわけです。一列に並ぶ時にも私語禁止、列を乱さない、前の子にちょっかいを出したりすればただちに先生に注意されるなど、その様子はさながら軍隊。時計を見ながら、あるいはチャイムにあわせて子どもたちが自ら行動する日本の学校とは全く違います。これをアメリカの小学校の先生が知ったら「これは奇跡だわ!アメリカの子どもたちだったらまずアナログ時計が読めない(泣)!」「自分の意志で教室に戻ってくるの?こっちの子どもだったら学校を抜け出すわ!!」って言うと思います(笑)

 

(休み時間前後の様子)
 

また、学校の敷地内にいる時には子どもたちは常に先生の監視下に置かれます(言い方は悪いですが、正直日本人の私にはどうしてもそのように映ってしまいます)。休み時間も必ず複数の先生が子どもたちを近くで見ているのです。もちろん監視官のようにじーっと見てるわけではなく、先生同士で雑談したりしているわけですが、ルールを守らなかったり危険な言動をする子どもがいた場合には、先生が割って入ってきて、近くにじっと座っているように命じられたり、遊ぶ代わりに校庭を何周も歩かされる、ひどい時には親に連絡が行ったり校長室に送られるといった罰を受けます。けっこう厳格だと思いませんか?

 

先生の目がないところで上級生も下級生も混ざってそれぞれ思い思いの方法で遊んでいる日本の小学校の日常って、実はものすごいことだったんだと思い知らされました。もちろん小競り合いや喧嘩、いじわる、ケガなど様々なトラブルも起きるわけですが、先生が入ってくることってよほどのことがない限りなかったように思います。問題が起きないように自分たちでルールを考えたり、いざ問題が起きたらなんとか自分たちだけで解決しようとしたり...それってとても高い能力だしものすごい教育だなと、今振り返って考えさせられます。

 

(真ん中奥にいるのが先生。このように休み時間の様子を見守ります。)

 

そして私が気になるのはやっぱり「休み時間にサッカーはできるのか?」という点(笑)。息子曰く、サッカーボールをめぐって喧嘩になったり誰かが怪我をすると先生に注意されてしばらくサッカー禁止になるとか。しかも低学年男子、これがけっこう頻繁に起こります。うちの息子もたまに「今日は〇〇がルール守らないでケンカになったから、男子全員校庭歩かされた!!フェアじゃないっ!!」とか「サッカーのルールみんな知らな過ぎてカオスだから、先生に一週間サッカー禁止って言われた(怒)!!」とか憤慨してます。先生でしゃばらんでいい!!子どもだけでなんとかするから放っといてくれ!!と言いたいところですが、禁止になったらなったでバスケやアメリカンフットボール、鬼ごっこに移行するようなので、まあそれはそれでいいか。とにかく日本のように日が暮れるまでサッカーボールを追いかけるなんてのはなさそうです。余談ですが、息子のズボンのひざは破れまくりで妻はしょっちゅう嘆いてます。スライディングとわざと転倒するのが楽しくてたまらないお年頃。息子にはおさがりのズボンしか着せません。

 

渡米して20年たった今でもまだまだまだ理解しきれないアメリカ文化と価値観。日本人に比べてはるかに自由に振る舞うアメリカ人が、幼少期にこれほど厳しく学校で管理されていることには驚きました。妻は日本の小学校と幼稚園の教員免許をもっていて、日本での教育実習や教育現場でのボランティア経験も豊富なのですが、「日本の学校よりよっぽど厳しい点がたくさんある」といいます。かと思えば、めちゃくちゃ自由奔放な面もあったり。20年経った今でもいまだにアメリカという国をつかみきれない私たち。

 

ちなみにアメリカでは、小学校から高校まで学校に行かずに家庭で勉学をするホームスーリングというものが全ての州で合法とされていて、私たちが住んでいるテキサス州はホームスクーリング登録が最も簡単にできる州のひとつであることも手伝って、私たちの周りにもホームスクーリングを選択している家族が沢山います(これについてはまたの機会に詳しく書きたいと思います)。将来息子がサッカーを本気でやりたいと言い出したら、高校あたりからは自分で好きなようにスケジュールをたてられるホームスクーリングもありかなとぼんやり考えていますが、それはまだまだ先のこと。それまで息子がサッカーを続けているかもわかりません。当の息子は「今からでもホームスクーリングがいい!!勉強は1時間で終わらせて残りは全部リセスにしよう!」と意欲満々。一方の娘二人は学校が大好きで「ホームスクーリングなんて退屈すぎて絶っっっ対に嫌!!」と大反対。男女でこうも違うかな。。。

 

みなさんのお子さんは、休み時間サッカーしていますか?校庭でサッカー禁止、ボールの使用禁止なんていう学校もでてきているのでしょうか?今の日本の休み時間はこんな風に変わってきてます、他の国の休み時間はこんな感じです、アメリカの休み時間に関する感想意見などなど、あればDMやコメントで教えていただけると嬉しいです!

 

 

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