長年サッカー後進国といわれ、ここ最近ようやく少しずつサッカー熱が高まってきたアメリカですが、驚くべきことにサッカー人口の裾野はものすごく広いです。日本のサッカー人口が300万人ほどに対して、アメリカは2400万人を超える規模だそうです(人口が日本の約3倍と考えてもこの数はやはり多い)。
(メッシ効果もあり先月行われたMLSのカンザス州での試合は
7万人を超える観客を集めました。)
アメリカでのサッカーの位置づけは、「子どもが最初にやるスポーツ」。
男の子も女の子もなんとなく走れるようになってくる3-4歳頃に、まず経験させるスポーツがサッカーなのです。野球の入門編のティーボールより、アメリカンフットボールの入門編のフラッグフットボールより、バスケより、とにもかくにもサッカー。
上手いとか下手とか、運動ができるできないは全く関係なく、扉は広く開かれています。子どものサッカーのために忙しく送迎をし毎回欠かさず試合を観に来る熱心なママを指す"Soccer Mom"という単語があるほど。
(検索して出てきたサッカーマム(笑)。)
アメリカ人にサッカーが好きと言う話をすると、「あ~俺も(私も)小さいころやっていたよ」と返ってくるのは当たり前。この「やっていたよ」がこの国では「足でボール触ったことあるよ」くらいの意味しかなく、実はルールもしっかり理解していないと気付いたのはここ数年です。アメリカ人はとにかく自信満々 (笑)。
なぜアメリカではスポーツの入り口がサッカーなのか?周りの友達に聞いてみるとこんな答えが返ってきます。
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ルールがシンプルだから
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とにかく沢山走って動き回って体力消耗や体力づくりにもってこいだから
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サッカーチームが沢山あって始めやすいから
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そろえる道具が少なくて始めやすいから
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大きめのユニフォームを着てちょこちょこ走り回っている姿がかわいいから
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Soccer mom になることに憧れていたから(完全に親の趣味)
ところが年齢があがるにつれてその競技人口はどんどん減っていきます。何故か?
現在息子は8歳。まわりを見渡せばまだまだ沢山の同じ年代の子どもたちがサッカーをしています。光るセンスを持った子やずば抜けた身体能力を持った子もたまに見かけますし、複数のクラブチームを掛け持ちしたりパーソナルトレーナーをつけたりしてかなり熱心に取り組んでいるご家族もいらっしゃいます。
でも、思うのです。
「15歳、18歳、23歳までやり続けているのは、このうちのどれだけだろう?」と。
妻はサッカーに関してはど素人ですが、ある日「この世界にはメッシより上手な選手がいるんだろね。世界一はメッシじゃないんだろね」と言ったことがありました。
は?と思いましたが、その後の説明を聞いてなるほどと思いました。
「メッシより上手い選手も才能を持った選手もきっといたんだろうけど、みんな途中でやめちゃったんだろうね。メッシは続けたから世界一になったんじゃない?」
確かにそうかもしれません。
広大なグラウンドを埋め尽くすほどのプレーヤーのうち何人がこれからもサッカーを大好きなままでいて、大きな怪我もせずに、高いモチベーションを保ったまま競技を続けていくんだろう。身体能力の高い子は、注目される、モテる、将来が華々しいという理由でアメリカの花形スポーツに移行してしまう可能性が高いですし、そうでなくても挫折、プレッシャー、燃え尽き、コーチやチームメイトとの軋轢、あらゆる誘惑、興味の移り変わり、怪我などなど、サッカーを途中でやめる理由は他にもいくらでもあります。
そう考えると、「続けること」それだけでひとつの才能であり運なのではないかと考えさせられます。そして嫌々続けるのではなく、サッカーが大好きなまま続けていくことがどれだけ難しいことかは、沢山の悔しさと挫折を味わった自身の経験から痛いほどわかります。
ただこれ、視点を変えれば、続けていくだけで競争相手は自然にどんどん減るということも意味します。サッカーで上を目指したい!と子どもが言い出した時、どうしてもスキルや体格、身体能力、サッカーIQなどの競争を真っ先に考えがちですが、それはサッカーを好きでい続ける競争でもあるんですね。
だからこそ、現在8歳の息子には「サッカー好き!」「サッカー楽しい!」その気持ちさえあれば今は十分だと私は思っています。息子のその気持ちを最優先にしながら、それを軸に環境、チーム、コーチを決めていく。。。それが今の私の方針です。
(毎晩サッカーボールと寝る息子を見ると、
今は順調に成長しているんだと信じられます。)
本気で上を目指そうとしたら、サッカー人生はまだまだ長い。
サッカー選手として品定めされるのはずっと先。
まだたったの8歳。
焦らない、せかさない、急ぎすぎない。。。
日々自分にそう言い聞かせています。
私は10歳で地元の少年団を通じてサッカーに出会ってから30年以上経ちましたが、今でもサッカーが大好きです。
今でもサッカーについて勉強したいと思いますし、世界のプレーヤーや動向を追っていますし、アメリカからJリーグの試合もチェックしていますし、機会があればプレーしたくなります。これって本当に幸せなことなのかもしれません。
息子にも、ずっとサッカーを好きでいてほしいです。
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