いやー今日は感動しました。

アメリカサッカーに真剣に向き合い始めて5年が経過しましたが、こんなに魂を揺さぶられたのは初めてです。

この感動をいつまでも記憶に残しておくために、ここに書き留めておきます。

 

はじめての方はこちらもどうぞ!

 

ここまでの感動を与えてくれたのは、

本日アシスタントレフリーを担当したシニアの草サッカー。

出場資格は60歳以上(笑)

 

 

午後6時キックオフのこの試合

時に心地よい風が吹くも、開始時刻の気温は28度(4月といえどもテキサス)。

 

8人制で行われフィールドもそのサイズに合わせてはあるものの、

試合前のチェックイン時に両チームとも現れたのは8人ジャスト。

 

冗談だろ、交代なしでのぞむ気か?

 

60歳以上の試合を担当するのは本日初めてだった私が試合直前に知った衝撃の事実。

 

試合は40分ハーフ!!(爆)

 

「よんじゅっぷん!?」とケイスケホンダばりに叫び

3回ほど確認しましたが、40分ハーフで間違いないと。

 

一体どんな試合になるのかと色々悪い予感がしていたのですが、

始まってみれば、とんでもないドラマが待っていました。

 

 

まず試合開始5分後に一人目の交代要求(笑)。

 

息づかいが半端じゃありません。

 

幸いにもこの時点で両チームとももう1人遅れて現れていたので一応交代カードは一枚あり。

 

ちなみに、アメリカではシニアに限らず多くの試合で、バスケットボールのように何度でも交代できるルールが適応されています。

 

ラインズマンの私を当惑させたのは絶妙なオフサイドトラップ。

ラインの調整抜群にうまいんです。

 

走れないなら走らず守ればいい。

 

すると

 

相手フォワードも対抗します。

 

それならばと巧みなポストプレーを使い3人目の動きから裏を狙います。

大迫並みの半端ないポストプレー。

 

しかも

 

スピード勝負は60歳のおじいちゃんには絶対無理だろうという私の予想を覆し

 

3人目の動きのおじいちゃん、走る走る。

 

イナズマのごとくじいちゃんが走る。イナズマじいちゃん(笑)

 

皆さん、60歳のおじいちゃんの全力疾走見たことありますか?

大太鼓のようなお腹を揺らしながら疾走する姿は圧巻。

 

この試合前にレフリーを担当したU13の試合では、フィールドを覆い囲むほどの観客が集まっていましたが

 

このおじいちゃん試合は観客ゼロ。

 

と思いきや、熱心に声援を送る一人の女性の姿が。

目の前の選手の奥様なのか、それとも娘さんなのか。わからない(笑)

 

 

そんなこんなで前半終了。

酸素呼吸器が必要そうな人が数名。

なんかあったらどうすんだとレフリーの私、ちょっと焦る。

 

次の試合もあるのでハーフタイムは5分(笑)

ますます心配です。

 

 

後半開始、遅刻参加で威勢よく声をだす56番、まさかのキックオフシュート。

 

これは惜しくもポスト直撃。

何かが起こりそうな予感満載。

 

あれ

 

ゴールキックを蹴るキーパーが変わっているぞ。

そのゴールキックからパスを要求するフォワード選手

よく見ると前半のゴールキーパーがフォワードの位置に!

 

ま、まさかカンポス!?

 

あの94年アメリカW杯の時だから

もしあの時30歳を超えてたら確かに今60歳以上

赤チーム スペイン語しか聞こえないから、マジありえるのか。

 

後半はさすがに運動量が激落ちし、代わりにファールが目立ち始める。

 

すると年齢など関係なしに言っちゃいけないFワードの応酬(笑)

さすがにおじいちゃんのFワードはちょっとつらい。

若気の至りの名残でしょうか

 

ラインズマンの私にも猛抗議。

いや、あなたが理由でオフサイドとらなかったんですよ。

 

ここまで意外にも誰も足がつらなかったものの、遂に一人目の足痙攣。

悶絶している様子は、足が痙攣したというより心臓発作かと真剣に焦らされる。

 

試合の行方はというと、3本ものPKが与えられ、乱打戦となったこの試合。

7-5でカンポス率いる赤ヒスパニックチームがリード。

残りは5分。

 

ここから遅れてきたお調子者56番(その名もディーン)が魅せる。

 

 

左サイドをヒョウのようにぶっちぎりゴール。

 

ま、まさかあの黒人じいちゃんカメルーンの黒ヒョウこと、エトーか!?

(ディーンって名前は偽名か!?)

 

すると残り1分を切った時

 

黒ヒョウ56番ディーンが今度はハーフラインでボールを受けると

 

巧みにターン

 

その鋭い眼差しで即座にゴールキーパーの位置を確認

 

若干前に出ていることを把握すると

 

迷わずその左足を振りぬく

 

まさかの超ロングシュートがネットを突き刺し同点!

 

ゴールを決めるとどんなに疲れててもダッシュしてしまうのは60歳でも一緒(笑)

 

ディーン猛ダッシュ

 

エトーはメッシとプレーしてたから、まだ60歳まではいってないはず

 

すると、まさかのリベリアの怪人ジョージ・ウェアか!?

 

とにかくディーン最高

 

と、ここで試合終了のホイッスル

結果は7-7の引き分け

 

いつもは試合が終わると一目散に退散する私も

この時ばかりは「感動した!」と小泉元首相のごとくじいちゃんたちにご挨拶

 

一人一人と握手をしながら

「俺が60歳になったらこのチームに入りたい。あと20年待っててくれ」

と伝えるとみんな大爆笑

 

途中から見入っていた中学生くらいの2人組が

「レフリー、この人たち何歳?!」

 

「60歳以上だよ」

 

「やべー、まじかよ。俺たちの親より年上じゃん!」

 

「サッカー.....続けろよ」

 

アメリカはサッカー不毛の地などと呼んだのはどこのどいつだ。

 

アメリカにはサッカーを愛する人たちがこんなにもいるよ

 

と、帰宅してすぐ妻と子供達に伝えました。

 

 

 

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