②幼少期から多人種・多国籍の中でプレーし成長できる(ほぼすべてメリット)

 

アメリカでジュニアサッカー年代を過ごすメリットとデメリット①はこちら

はじめてブログを読まれる方はこちらもどうぞ

 

2002年に高校を卒業した後の4年間、私は留学先のアメリカの大学でサッカーを続けていました。自分の英語力にまだ自信が持てなかった頃、自分を表現し、人と繋がり、人に認めてもらう手段として、今まで自分が打ち込んできたサッカーがこれほど役に立つとは夢にも思っていませんでした。

 

(留学先のサッカー部での光景。当時はSNSなどなかったので人づてに練習場所と時間を聞き出し飛び込みで参加してました。)

 

ちょうどその頃日本では、1998年のW杯初出場をきっかけにヨーロッパへ移籍する選手が増え始めていました。海外挑戦をする日本人サッカー選手たちが発信していた情報の中でもとりわけ頻繁に私の耳に入ってきたのが、人種が違う選手たちのプレースタイルや身体能力の違いです。

 

「俺も海外組だ!」なんて自己満足に浸りながらアメリカでサッカーを続けていた私も、アメリカの大学で日本人以外の選手達と初めてプレーをした時に「な、なぜそこから足が届くんだ...」「は、速!!!」「す、すっげー筋肉...」と驚愕したことを覚えています。日本のサッカー人生10年では決して経験することのなかった衝撃を、この時初めて味わったのです。

 

かたやアメリカでプレーする8歳の息子は毎回の練習や試合でこれを体感しているのだと思うと私は本当にワクワクします。実際、つい先日の試合で息子と競り合うようにボールを追いかけてきたアフリカ系の男の子の初速の速さにどぎもを抜かれました。まさに一瞬で抜き去るとはこういうことかと。幼少期から多人種・多国籍のプレーヤーに交じってサッカーができることは、アメリカという人種のるつぼでジュニアサッカー年代を過ごす最大の利点ではないかと私は考えています。

 

現在息子が所属しているチームのコーチはコロンビア人で、チームメイトはヒスパニック系、アフリカ系、ヨーロッパ系、アジア系と実に多様な人種的バックグランドをもつプレーヤーが集まっています。以前所属していたチームは息子が唯一のアジア人、その他はすべてヒスパニック系で、それはそれでよかったのですが、今の「ザ・多国籍軍」の方がより大きなメリットを感じます。

 

 

というのも、様々な人種的バックグラウンドを持つプレーヤーが集まったチームには、おのずとプレースタイル、プレー選択、技術レベル、身体的特徴(背が高い、体幹が強い、足が長いなど)、能力(スピード、パワーアジリティ、高さなど)、メンタル、性格にも多様性がうまれます。あくまで私見ですがこれまでに私が受けた印象としては、ヒスパニック系の子供たちは身長は高くなくとも体幹が強く、何より「負けたくない」という気持ちを全面に出してプレーする、ヨーロッパ系の子供たちは粘り強くて献身的、アフリカ系の子供たちはやはり身体能力が抜きんでていて、アジア系の子供たちはアジリティが高く、ボールを扱う技術に長け、コーチが伝えることを忠実に表現しようとする印象があります。

 

(日本人、韓国人、メキシコ人、ヨーロッパ系アメリカ人にアフリカ系アメリカ人からなるフットサルチームを形成)

 

そんなチーム環境の中、息子は日本人プレーヤーとしての特徴をいかした自分の武器やチームへの貢献の仕方を必然的に探究し磨いていっています。また周りに自分を理解し受け入れてもらうためには、積極的にイニシアチブをとって自己表現しコミュニケーションをとることも求められます。強烈な個性がそろう中、ただ静かに立っているだけでは誰も気をまわして話しかけたりかまってはくれないからです。息子も2ヶ月前のチーム加入当初、学年が一つ下にも関わらず一生懸命輪の中に溶け込もうと努力している姿が見受けられました。今やもう何年も前からいたかのように立ち振る舞いチームに溶け込んでいる様子を見ると、日本人以外の選手と対峙しただけでドキドキしていた昔の自分を思い出して、息子のたくましさを感じます。このような環境を幼少期から当たり前のように経験できることは、アメリカのサッカー環境の素晴らしい点だと思います。

 

(昨晩、この多国籍チームで念願の優勝を経験することができました!チャンピオンズリーグのアンセムが流れるなかトロフィーとメダル受容の表彰式もあり、アメリカはこういった演出もとてもうまく行っています。)

 

少しサッカーから逸れますが、息子が通っている公立小学校も実に様々な人種の子どもたちが集まっています。つい先日、息子と娘二人(みんな同じ学校に通っている)が、「ラマダン(イスラム教の断食)中でスナックもランチも食べない子、クラスに何人いる?」「うちは4人だよ」なんて話をしていました。あるいは娘二人はクラスの誰の髪の毛がウェービーできれいだとか誰のスキンカラーがかわいいとか、誰の目の色が好きだとか、見た目の違いもポジティブに受け止めているのがわかります。担任の先生が授業中急にスペイン語で話し始めたり、クラスパーティーの日には今まで耳にしたこともない言語が親子の間で飛び交ったり、夏休みは友達が世界中の母国へ戻っていくなどなど、とにかく異文化エピソードには事欠きません。

 

運動会(こちらでは「フィールドデイ」)の徒競走で、純アジア人の我が子が右は圧倒的足の長さのヨーロッパ系、左はすでに筋肉のつきかたが違うアフリカ系の子どもに挟まれて必死に走っている姿。これがリアルな競争だと私は思うのです。どう努力したって真っ向勝負では太刀打ちできない相手というのは、サッカーを続けていく限りこれからいくらでも出てきます。上を目指せば目指すほど「規格外」に出会います。息子にはそこで萎縮したり挫折したり、負けることを恥じるのではなく、彼らにはない自分の武器を探求して成長し続けるプレーヤー、そして何よりもジャイアントに立ち向かうことを恐れないハートを持ってほしいです。

 

私はドラゴンボールが大好きで、妻にいつも「何かを説明する時はいつもサッカーかドラゴンボールにたとえるよね」と言われるのですが、悟空が対戦相手が強ければ強いほどワクワクして自身のもつ潜在能力や戦闘能力があがっていく....息子がそんなプレーヤーになってくれたら私は感無量です。

 

多様な外見、文化、習慣、言語、価値観、能力に幼少期から触れて、それらをごく自然なこととして受け入れ認めながら、その中で「自分」というものを確立させていく環境は、サッカーにとどまらず素晴らしい教育的刺激だと私は感じます。もちろんみんながそれだけ違うということはとんでもなく凸凹な個性の集まりなわけで、一筋縄にはいかない部分も出てくるのですが。

 

今回はアメリカでジュニアサッカー年代を過ごすメリットとして、幼少期から多人種・多国籍の中でプレーし成長できる環境について考えてみました。質問や感想などをコメント欄やDMでシェアしていただくと嬉しく思います。

 

 

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