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アメリカは人種のるつぼ。そこには日本人の私が度肝を抜かれるほどのとんでもないフィジカルやスピードを持った子供達も存在します。両親共に日本人である息子は今のところサッカーで優位性となるほどのフィジカルやスピードは持ち合わせていません。

 

かたや日本へ一時帰国している間に発足し、こちらに戻ってから初合流した新チームの中に、卓越したスピードを備えたチームメイトがいました。ブラックアメリカンとフィリピンのハーフであるX君。ハートも強くあっという間に新チームの得点源となりました。準優勝した先週のトーナメントでもチーム内得点王でしたし、何よりもスピードと負けん気でぶっちぎる豪快さは練習で身に付けたというより天性そのものでした。私が密かにつけていたあだ名は「野人」。そう、あの野人こと岡野選手を彷彿とさせるプレーヤーだったからです。今のコーチの下で切磋琢磨していけば素晴らしい選手になるんだろうと私もわくわくしていました。

 

 

そんな彼が今週コーチから退団を告げられました。理由は彼のご両親の行き過ぎた言動でした。

 

私と息子は直接的に何かされたことはありませんでしたが、どうやら他のチームメイトやその親御さん達、そしてコーチに対しても度々行き過ぎた発言等があったようです。「あの家族は問題続きでチームの和を乱すから出ていってもらう」とコーチからチームに対して公なコミュニケーションがあったうえでの即刻退団でした。明日から全米大会に続くリーグ戦が開幕する中、チームの中心選手の一人を親の行き過ぎた言動を理由に退団させるというのは、生粋の負けず嫌いであるコーチとしては大きな決断だったはずです。しかしまた、チームの勝利よりも子どもたちの育成を優先させたい、そのために最良の環境を提供したいというコーチの思いもまた本物で、私は感心しました。

 

と同時に、私の胸は痛みます。X君の生まれ持った才能、サッカー選手としての将来性は誰もが認めるところ。彼の能力やポテンシャルが抜きんでいているが故に、ご両親がコーチとチームに対して期待や要求をしすぎてしまったのかもしれません。「特別扱いされて当然だ」という傲慢さや勘違いもあったと思います。それが結果的にX君の成長の機会を奪ってしまったかもしれないのです。チーム競技においては「自分がよければそれでよし」という態度や考えでは、遅かれ早かれいつか自分にしっぺ返しがきます。それはプレーヤー本人だけではなく、周りの支援者、特に親にもあてはまるのです。

 

彼がいなくなったことで息子のチームがこれから苦戦することは容易に想像できます。彼と息子のプレースタイルはきっとうまくはまるとワクワクしていたので残念な気持ちはありますが、それよりも私の心に重くのしかかることは、親のエゴや自己中心的な振る舞いが理由で、一人の才能豊かな子供が成長していく環境を潰されてしまったという事実です。

 

自分の息子のサッカー人生を潰すことだけは絶対にしたくない、と切ない気持ちと向き合いながら、明日リーグ戦開幕です。

 

 

 

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