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アメリカに来てこれは親子ともども助かるなと感じるのが、学校の選択肢の多さです。

 

公立か私立かはもちろん、たとえば公立であっても自分の家から最短で行ける学校か、違う学区にある公立校か、独特のカリキュラムや特色をもった「チャータースクール」と呼ばれる公立校か、そして学校に1-2日行って残りは家庭学習をするハイブリッドスクールか、完全に家庭学習をするホームスクールか、などなど。。。

 

転校もそこまで難しくありません。

 

以前ジムのラウンジで一息ついていたら近くの女性が電話でどうやらお子さんの通っている学校の校長先生と話しているようでした。比較的大きな声で話していたので内容が丸聞こえだったのですが、その内容はというと。。。

 

「今日でうちの子辞めさせます。学校のあり方に不信感が募っているので、これ以上子どもを通わせたくありません。今までありがとうございました。」

 

え~~!そんな簡単に学校ってやめられるの!? 学期のど真ん中、しかも電話一本かよ!って驚いたのを覚えています。もちろん義務教育中は、その後に次の学校に転校する手続きをしなくてはいけないのですが、手続きを待っている間に家庭学習をしていればいいわけです。

 

現在私たちの子どもたちは地元のチャータースクールというタイプの公立小学校に通っていますが、私が個人的に興味があるのは家庭で勉強するホームスクールです。このシステムを選択する人たちの理由は様々です。

  • 宗教的価値観をしっかりと子どもに教えたい

  • 家族で過ごす時間を何よりも大切にしたい

  • 学校は危険で送りたくない

  • 子どもの勉強スタイルや習熟度が特殊なので家で見た方が効率的

  • 兄弟が多すぎて送り迎えなどができないので、まとめて家でみたい

  • スポーツや音楽、芸術など特定の分野にもっと時間を割きたい

(ホームスクールの様子)

 

私の理由は最後に挙げたやつ。もちろん本人次第ですが、これからサッカーを本気でやりたいと本人が言い出したら、朝の7時過ぎから午後3時まで学校に拘束されているのはどうしても時間の無駄に思えてしまいます。こちらは日本のように「高校サッカー強豪校」というのもなくあくまでクラブチーム中心ですから、学校側は息子のサッカーがどれほど忙しいかなんて興味はありません。強豪チームに加入するとなれば、家から数時間離れた場所で練習や試合があることもざらです。どんなに遅くに練習から帰って来ても次の日朝6時過ぎには起床して登校、そこにテストや課題、課外活動が入ってきます。もちろん立派に両立しているお子さんもいらっしゃいますが、私は子どもの睡眠時間や休憩時間を重視していて、そこが圧迫されるくらいなら、そして選択肢があるのなら、学校中心の生活スケジュールじゃなくてもいいんじゃないかなと思うのです。

 

(昨日はトレーニングからの帰宅が午後9時40分。今朝は6時30分起きで7時には登校です。これが続くとなるとやはり不安です。)

 

「え?中高の勉強なんて親に教えられるの?」と不安になりますが、どうやら親が勉強を見なくてはいけないのは小学校まで。小学校レベルの読み書き計算の基礎がしっかりできていれば、あとはホームスクール用の問題集や参考書を与えてあげれば子どもは勝手に勉強していく​。。。とホームスクールをしている大半の親御さんは言います。勉強の進み具合は本人次第。多くのホームスクールの子どもたちが、学校で一日かけてやる内容を小学生なら1-2時間、高校生でも半日かけずに終えられる、と言います。また「やらされる勉強から自分でやる勉強」に切り替わるのがアメリカの大学ですが、ホームスクールを経たお子さんは大学に入った時にこの変化に戸惑うことなくスムーズに順応できるともいわれています。

 

(ホームスクールを選択する家庭は部屋の一つをこのように勉強部屋にデザインし、兄弟が皆一緒に同じ時間でそれぞれの課題に取り組みます。)

 

それじゃホームスクールにデメリットはないのか?

 

私もまだまだこのシステムについて勉強中ですが、私としてはこんなデメリットが考えられるかなと思います。

  1. 社会性—高校からならともかく、小学校から高校までずっとホームスクールというのは、私は社会性の面で心配です。学校のように様々な人間(子どもも先生も)が集まる場所でもまれる経験、そこで問題解決をしたり、葛藤を乗り越えていく経験は家庭では提供できないんじゃないかなと思います。ただ高校生にもなれば、もうある程度の社会性は身についていますし、あとはサッカーや自分の興味あることを軸にしてつながっていく友好関係でもいいのかな、と思います。

  2. 進学情報やサポートが十分に受けられない ー 特に大学に関してですが、学校に通っていればそこにいる進学カウンセラーやキャリアカウンセラーが様々なアドバイスをしてくれます。説明会やセミナーなどもたくさん用意されていて、特に私たちのようにアメリカの外から来てこのプロセスに関してど素人の親にとってはかなり心強いです。同じことを個人的にやるのは情報量も少なく大変だろうなと思います。

  3. 親が在宅である必要性ー子どもだけ家にいるというのはアメリカでは許されませんから、親のどちらかが仕事をあきらめるか、完全に在宅でできる仕事をみつける必要があります。

  4. 視野が広がらない可能性 ー ホームスクールですと、どうしても自分の得意分野はどんどん勉強して苦手分野は必要最低限しか手を付けない方向に流れやすいです。自分の好きや得意を伸ばすという意味ではそれが悪いわけではないのですが、ただ自分が思ってもみなかった以外なところに面白いものが転がっているのが人生です。嫌だと思っていたけれどやってみたら以外と面白かった、好きな先生との出会い、友達からの影響など、自分の殻を破って挑戦してこそ見えてくる世界というものもあります。そういった機会をより多く与えてあげられるのは学校なのかな、とも思います。

アメリカの学校、特に国家を支える公立学校に関してはここ数十年で様相がガラリと変わり(主に悪い方へ)、加えて銃の問題などもあって親御さんたちの公立学校以外の選択肢への興味は高まる一方です。サッカーを理由に学校選択について悩めるのはむしろとても幸せなことで、もっと根本的な子どもの安全や心身の健康を守ることを理由に学校選択を真剣に考えなくてはいけない時代になったと言われています。

 

自己主張が強く、主体的に選ぶことが大好きなアメリカ人が作りだした今の学校システム。問題は山積みで完璧にはほど遠いですが、「選択肢の多さ」に関しては日本人として学ぶことがたくさんあるなと思います。

 

みなさんはお子さんの進学先、どのようにお子さんとそして家族と話し合っていますか?重視していることはありますか?シェアしていただけると嬉しいです。

 

 

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