精神病の治療で全国的に有名な菊陽病院。私はそこのデイナイトケアを利用している。このデイナイトケアは症状が安定した人が利用する場所だ。
ここでの朝の体操の後に行われる5文字言葉。この五文字の言葉をその日その日にみんなで決めて、顔を動かす目的で大声で言うのだが、その五文字の取り扱いが日本語の常識から外れているのだ。
この病院では例えば
「びょういん(病院)」の中の「ょ」を一つの文字としてカウントしてしまうので声に出す時は「びよういん(美容院)」とするルールが存在する。
ここの利用者が「日本語の常識では「びょういん」は4文字だ。」との認識を持ってあえて5文字とカウントしているのならば問題は無い。しかし、ここのスタッフがそんな説明もなしに「ょ」も一文字としてカウントするんだよ。としているので利用者は日本語としても正解だとの認識である。
ここの利用者は例えば「まんじゅしゃげ(曼珠沙華)」を使って俳句を作る場合575の5の部分で使う事が出来ずに7で使う事になる。
そして、学童の義務教育から見て間違いである以上、菊陽西小学校の生徒がこの事を知ったら、小学校の生徒は菊陽病院の患者をどう思うだろうか。
しかし、スタッフはみんなが決めた事だから変えないと頑なになっている。
目的はどうあれ、彼らの母語である大切な日本語を菊陽病院がダメージを与えているわけであり、結果的にキチガイは病院スタッフにより作られるのである。世間から笑われる存在にしてしまっているのである。
私の専門は日本語教育である。日本語は世界7位の使用者を持つ大言語ではあるが、世界の言語から見て珍しい発音体系を持つ。必ず子音と母音のセットなっている。これを「モーラ」とか「拍」とかと呼ぶが、他の言語は音節言語である。なので、日本語教育では音節発音からモーラ発音への切り替えをさせる為に発音指導が日本人の思っている以上に重要視されている。なので正直言ってこのデイナイトケアは見方を変えたら偏った五文字言葉が発音にどのように影響を与えるのかの絶好の調査の場でもある。だから、このまま放っておきたい気持ちもある。スタッフは気が付いていないが、既に影響が出ている人もいる。喋る時に上歯と下歯に隙間が出来ずに唇だけで話しているのだ。このままだとどうなるだろうか。心配でもあるし、このまま行って結果を確かめたい気持ちもある。