～モラルの行方～

[モラル]
｛倫理・道徳｝の意。
この言葉、英語の‘ＭＯＲＡＬ’がそのまま日本で使われ、その意に於いても、もちろん｛倫理上・道徳・善悪の判断｝といったことを指しています。語源はラテン語の‘ＭＯＲＡＬＩＳ’からきていると言われ、そちらの意味では｛慣習に合致した｝となります。

…冒頭からエラっそ―な講釈をたれてしまいましたが、昨今の不倫騒動を鑑みて、「アラアラ……」と思ってしまった僕は思わずモラルの意味を確認してしまった次第です。

元来僕はこういったエンタメ系のニュースにはあまり関心を持たないのですが、ここのところ不倫だの二股だのといった報道が続くので、興味のベクトルがそちら方向へ「ググッ！」と向いてしまいました。タレント・ベッキー女史の不倫騒動！、同じくタレント・狩野英考氏の二股騒動！！、そして今最も旬なお話しが衆議院議員：宮崎謙介氏の不倫疑惑………

不倫や二股…はたまた略奪愛なんていうお話しは昔っから芸能界では頻繁に起こっていた出来事でしたし、歌舞伎役者などはよく「女遊びは芸の肥し」なんて言ってましたよねぇ～

それに今だから言えますが、僕なども教員時代に身近な同僚が不倫に片足突っ込んでたので散々注意し止めたけど言うこと聞かなかった…なんて事がありましたし、また教え子が不倫やってて、これまた離婚調停の相談に参加させられるハメになったりと、自身の身近で不徳な現実を見せられてきているので、もうこの手の話しはウンザリでした。

しかし、近年ネットの力もあり男女や異性との間に生じた不道徳な出来事や事件を頻繁に耳にすることから、日本社会（世界全体かも）のモラルは日を追うごとに加速度的な低下を続けているのではと思うに至りました。

失楽園行のチケット買って入場する連中がどうなろうと知ったこっちゃないですが、重要なのは公共性の高い職業に従事する人間が不道徳と言われる行為に走っているという現実を次世代の青少年たちが知ることで、彼ら・彼女らのモラル観にどのような影響を与えるのかが心配でなりません。

「国家運営に携わっている人も不倫やってるやん」とか……
「芸能界なんて不倫も二股も常識なんちゃうん」とか……
「きっとみんなやってるんやから」とか……

そんな調子で社会全体の倫理観や道徳観が低下してくることは、国家そのものの存亡にもかかってくると思います。

古代ローマ帝国の分裂と終焉の原因は外に蛮族の脅威、内に風紀の紊乱であったことは歴史が証明しています。また他国の滅亡に於いてもおおむね外敵による軍事力と国家内における著しいモラルの低下の連鎖によって滅びたケースがほとんどなのです。

中国などは著しくモラルが低い国家であり、このモラルの無さは国家内に蔓延し今も尚、低下の速度に歯止めがかかってはいません。これは中国という国家機構が崩壊寸前である証拠であり、早晩チベットやウイグル辺りで大々的な紛争なり戦争が起これば、たぶん分裂・瓦解すると思います。

日本は中国や韓国などに比べれば遥かに倫理観や道徳観が高い国家ではありますが、パブリック性が高くメデイアでの認知度・露出度が上位な人間、またそういった職業を生業とする人々には一般大衆より厳格な生活態度が求められて当然だと思います。

…昔から言うではないですか、「地位と名誉と報酬に見合った生き方が求められる」と………そういった意味において今日、社会を騒がせている芸能人や政治家は自分達の欲望や我欲を一般人と同レベルで語ろうとすること自体が大きな過ちであることを自覚すべきだと思います。

それにしても現代人はモラルと共に自制と忍耐も何処かへ置き去りにしてしまったようです。