~なぜ?今、アニメ『GATE/自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』なのか??~ | 自炊・電子書籍化応援ブログ

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 以前、「2015・夏アニメ」で紹介したのですが、7月に始まった各夏アニメも8話~9話と回が進み、いよいよ1クール(第1期分・12話)がそれぞれ佳境に突入し始めました。

僕は放送開始前から『GATE/自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』を夏アニメ群の中でイチ推ししていたのですが、予想通りネット内外に於いても結構な人気作品として注目視されているようです。

…ところで、そういった人気とは別に‘なぜ?’この時期に自衛隊を全面的に推し出す作品が放送されているのか?、…アニメの放送開始以前より原作本(小説)で内容を知っていた僕は作品の評価以外にそういった疑問が一方にあったのです。また作品制作には1~2年程度の準備期間が必要ですが、僕的には約2年8ヶ月前に発足した第二次安部内閣で総務省・防衛省辺りが憲法改正に対する布石、先を見越しての大衆へのプロパガンダ(…特に若年層をターゲットに)の意味を含んでのアニメ化だったのではと推測しているのです。

…そこで以前にも書きましたが再度、この作品『GATE/自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』の概要を説明したいと思います。

…20××年8月某日、突然日本・東京の銀座に異世界と繋がる巨大な神殿にも似た門(GATE)が出現します。やがてその巨大な門からは古代ローマを彷彿させる兵士軍団と、その軍団に率いられた異形の獣人や怪物、ドラゴンなどが現れ無差別な攻撃を始めるのでした。偶然この現場に居合わせた非番の自衛官:伊丹耀司は、指揮系統が混乱していた警察をまとめ上げ、逃げ惑う大衆・数千人を皇居に避難誘導!その後自衛隊による反撃が開始され敵軍が一掃されるまで避難した人々を堅守します。

伊丹耀司はこの銀座での適切な避難誘導・人命救助により二等陸尉に昇進、それと共に政府が決定した門の向こう側(特別地域・特地と命名される)の探索と派兵の人選に選任されます。師団単位で派兵された自衛隊は特地でも敵の攻撃を受けますがこれを殲滅、門が存在する‘アルヌスの丘’と呼ばれる場所にベース基地を設営します。…そして伊丹は第3偵察隊の隊長に任命され現地の住人たちとの平和的接触や様々な調査任務に就くのでした……… …… …

…と、まぁ~…作品の出だしはこんな感じですが、物語に描かれる自衛隊と特地から突如現れた帝国軍との戦闘、その後の駆け引きによる和平交渉や、はたまた特地に暮す住人との適切なコミュニケーションの描写など、どうも安全保障の中核に据えられている集団的自衛権に対する自衛隊の役割と活動を置き変えた形で説明しているとしか思えないのです。

僕はマンガやアニメといったツールを使い自衛隊を広く国民に知ってもらうことには大賛成ですし、現にこの作品の原作者である’柳内たくみさん’は元自衛官でもあります。

…特地(異世界)より日本政府のお膝元である東京・銀座に突如攻め込んで来る帝国の軍団!…これは現実の世界で日本が首都を急襲された時に自衛隊がどのように動くのかと言うことを想定して描いているものだと思いますし、非番の自衛官も有事の際には国民の盾となることもキッチリ、しっかり描いています。


…加えて概要では書きませんでしたが、このアニメの中盤において特地での重要な食糧生産地&交易要地でもある『イタリカ(城塞)攻防戦』なるエピソードが登場します。ここで侵略者(帝国敗残兵の組織的攻撃)に対し自衛隊は徹頭徹尾、住民の生命と財産を守るため奮戦するのですが……このエピソードから類推されることは、海外に派兵された自衛隊がもし現地住民の生命に関わる事態に遭遇したならばどのような対処が望ましいか、人道的見地からどのように行動することが人として最も正しいことなのかをシュミレートしています。

アメリカを筆頭に友好を結ぶ諸外国との安全保障条約と、その条約に基づき自衛隊が集団的自衛権をどこまで行使することが正しいことと言えるのか?……この物語では外地(海外での紛争・戦争地域)を異世界=特地と設定し、派兵された自衛隊がいかに有効で有用な組織であるかを形を変えて説明していることは確かなことだと考えます。

総務省は放送メディアとの繋がりを深く・太く持つ組織であり、もちろん内閣のコントロール下にある訳で……柳内たくみさんの原作をアニメ化するという企画に於いて実は総務省側から民間へと降りてきた話しなんじゃねぇ~?、などと超絶うがった見方をしてしまう僕はアカンですかねぇ~…



それに防衛省以下、取材協力は陸上自衛隊からは幕僚監部広報室第一師団司令部、土浦駐屯地広報センター、そして自衛隊・東京地方協力本部航空自衛隊・百里基地など自衛隊でも首都防衛の要となる一線部隊からの協力がなされているところも、なかなかに興味をそそる部分でもあります。

それからもう1つ、選挙権が18歳まで引き下げられましたが、今このアニメ『自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』を見ている若年層(ティーン・エイジャーか・な
)は、この作品を通して自衛隊と集団的自衛権の行使についてどのように思い、どのように考え、そしてどのように判断を下すのかも結構興味深いところではあります。

…最後に柳内たくみ原作本(小説)・『自衛隊 彼の地にて、斯く戦えり』は本編が全10巻、外伝6巻が既刊!、コミックス版(マンガ)もすでに7巻まで発刊され、そして今回このアニメ化!、……いろいろロクでもない方向に語ってきましたが、それでもこの作品の素晴らしさ
、僕が大ファンであることは変わりませんよぉー