~僕の好きなNHK・美の観賞マニュアル『美の壺』~ | 自炊・電子書籍化応援ブログ

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 「暑中お見舞い申し上げます

その①小暑~立秋の前日まで(7月7日から~8月7日まで)
その②夏の土用~立秋の前日まで(7月20日から~8月7日まで)
その③梅雨明け~立秋の前日まで(梅雨明けから~8月7日まで)

…このように暑中お見舞いについて、一般に言われている諸説から「よし!時期、間違ってねぇ~ぞぉ~……
、ということで本日は夏のご挨拶より始めさせて頂きました。

…ところでここ1年ほど僕は、結構ノーテレビジョン生活を送っていまして、視聴するのはもっぱら気象情報かニュースぐらいになってしまいました 
…それでもそんな‘私的テレビ視聴事情’の中で、今だにチョクチョク見続けている番組が1つあるんですぅ~…それが本日紹介の観賞マニュアル 美の壺です

僕の中では{数少ないNHKらしい番組}としての位置づけにあるのですが、とにかく趣味と娯楽と教養がごった煮になった構成と、そこにほんの少しのユーモアがスパイスとしてエッジを利かせている何とも程良い加減の番組なのです。

初回放送は2006年(平成18年)4月7日・金曜日、開始当時は今は亡き[谷 啓]さんが案内役を務めておられました。番組設定として祖父の代から骨董収集が趣味の古民家に暮す主:谷啓さんが陶磁器や掛け軸といった骨董を始めとし、{お茶わん}や{座布団}、{うちわ}、{傘}、{手ぬぐい}、{ランドセル}などなど…普段の生活用品に見る美、さらに屋外に出ては{家屋}そのものや{橋}、{煙突}といったものまで美の観賞対象として紹介していきます。

つまるところ衣・食・住の全てにスポットが当てられており、ビー玉みたいな極小なモノから建物やその周囲に広がる景観まで……人の生活空間全体に触手を伸ばし、僕らが往往にして見逃している‘美’にまで観賞の素晴らしさがあることを教えてくれる番組なのです。

…残念なことに2010年、谷啓さんがお亡くなりになられたことで番組の模様替えをせざるをえなくなります。…そしてそれまでの古民家から洋館に暮す主:[草刈正雄]さん(谷啓さんの甥という設定で…)に案内役がかわるのですが……

最初は少し違和感を感じましたが、番組自体のスタイルや構成は引き継がれていたので回を重ねるごとに馴染んでいき、今ではすっかり草刈&美の壺で楽しく視聴できています。

また毎回の美の壺(ツボ)を解説するナレーションが、初代の高橋美鈴アナウンサー(2006年~2008年)をはじめ二代目:古野晶子アナウンサー(2009年~2010年)、三代目:礒野佑子アナウンサー(2011年~2013年)、そして現在は女優の木村多江さん(2014年~現在)と、皆さん素晴らしい美声で観賞ポイントを語られるので興味と関心が更に増すと言うものです。

それに谷さんが案内役でおられた時から親族・知人・和服美人・畳職人・泥棒などのゲストキャラクター登場の回が間々あり、石橋蓮司さんや安田美沙子さん、美輪明宏さん、古田新太さんなど多くの知名人がそれらの役柄を務めながら‘美の壺’を盛り上げていました。

加えて番組内で使われている音楽(BGM)も、とってもオシャレ
。…全てブルーノートを中心としたジャズで構成され、特にオープニング曲として流れるアート・ブレイキー&ザ・ジャズ・メッセンジャーズ『モーニン』は最高ですよ


僕は以前にもNHKの番組編成や企画・構成などが、俗物・低俗化の一途を辿っているようなことを書きました。もちろん民放に至っては、もはや存在意義を失っているといっても過言ではありません。ドラマやバラエティーと言った娯楽からニュース番組まで昨今のNHKは情報の精査が曖昧で、思想・信条などにも偏りあり、その上プロデューサーの多くが主観的な番組制作を行っていることすら気付かないという始末。

そんな中にあって、まだNHKの良心を感じる番組の1つが『美の壺』であり、僕的にはこの番組が変な方向に走り出した時がNHK:日本放送協会の終焉の時だと思っているのです。

とにもかくにも今のところは大満足して視聴できる素晴らしい番組であることは確かです